
Snow Leopard探索記 最終回:線路は続くよどこまでも
2009年8月末のリリースから約2年、「Snow Leopard」ことMac OS X 10.6の第一線での役割はまもなく終了する。具体的な日取りは未定だが、7月中には次期メジャーバージョン「Lion」がMac App Store経由で発売開始となる運びだ。
華々しい外観の新機能に欠けたためか、マイナーアップデート的扱いを受けることもあったSnow Leopardだが、OS Xの深化という意味においてマイルストーン的存在であることは確かだ。 Grand Central Dispatch(GCD)やOpenCLの投入といった足腰の強化もあるが、Intelアーキテクチャへの移行が促され、カーネルやアプリケーションの64bit化が進んだ点は見逃せない。
OS Xの歩みを列車と駅の関係にたとえるなら、Snow Leopardは急行停車駅ではなかったかもしれないが、各駅停車と急行との緩急接続を行う駅だったことは確かだ。
ところで、Snow Leopardの頭文字をとって短縮すると「SL」になるが、いつかどこかで見たような……そう、シャレのわかるUNIX系OSユーザーにはお馴染み(?)のコマンド「sl」だ。そう、タイトルの「線路は続くよどこまでも」はこれを言いたいがための伏線であったわけで……。
slは、lsをslとタイプミスすると現れる。OS X版もあるが、NSFontが大幅に変更されたTiger以降のシステムでは動作しないため、ここではオリジナル版を紹介したい。展開してmakeするだけでビルドでき、/usr/local/binあたりに入れておけば、いつでも「SL」を呼び出せる。「-F」や「-l」オプションも有効なので試してみよう。
本特集は今回をもって最終回、来月からLionに衣替えする。リリースまで多少の日数がありそうなので、今回紹介した「SL」を走らせ、過ぎゆくSnow Leopardに思いを馳せていただきたい。
最後に、少しばかり宣伝を。6月29日、アエラ別冊「AERA×Apple Love?Apple アップルはお好きですか」が発売になりました!(関連記事)。私は「Apple製品が変える医療と教育」ほか数ページを担当していますので、ぜひ御一読ください。