
OS X Lionでは「Xsan」に注目せよ
あまり話題になっていないようだが、OS X LionにはOS Xの価格(2600円)以上の対価を支払っても惜しくない機能が収録されている。SAN用ファイルシステム「Xsan」がそれだ。Appleのページにはサラリとしか触れられていないが、SAN(Storage Area Network)というこれまで業務レベルでのみ利用されてきた機能が、標準装備される点で画期的といえる。安くなった、というより事実上の無償化だ。
Lionのシステム環境設定にはXsanのペインが追加され、Xsanボリュームの管理とマウント/アンマウントを処理できるようになる。ただし、SANの構築に必要な管理ツール(Xsan Admin)とMDC(Meta Data Controller)が利用できるのはLion Serverのみ。そのLion Serverもわずか4300円、1ノードあたり約10万円というこれまでのXsanの価格を思えば、ほぼ無料と言っていいはず。

冒頭に挙げたLionのXsanに関する記述を、もう一度お読みいただきたい。そこにある「適切なネットワークに接続されているすべてのMacが、Xsanボリュームにアクセスできるようなります」という一文だ。これはFibre ChannelネットワークなしにXsanを使えると解釈でき、構築コストが劇的に低下することを意味する。Xsanそのものが(ほぼ)無償になっただけでなく、周辺環境の価格も著しく低下するのだ。
そういえば、2011年2月発売のMacBook Proから、I/Oに「Thunderbolt」が標準装備されるようになった。2本の双方向チャネルがそれぞれ最大転送速度10GB/秒というスペックが、なにを意味するか。個人的には、Mac Proを必要とするユーザーや事業者はこれからますます減るのだろう、と考えている。
