iCloud登場を機に「Lionの値段」を考える

海上忍
2011-06-06 16:27:00
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 5月末日締切の原稿と悪戦苦闘していた5月31日の午後9時44分、Apple(正確にはアップルジャパン)からニュースリリースが届いた。新機種発表などの知らせが夜届くのは珍しくないが、そのメールを開いてみると……「iOS 5」とともに「iCloud」の文字が。

 内容はともかく、通常はWWDCの基調講演で初披露されるであろうはずの新製品/サービスの話を自ら伝えるのは、かなり異例だ。理由は不明だが、なんらかの意図が働いているに違いない。

 ニュースリリースと前後して、かねてから建設が進められていたAppleの新データセンターがGoogle Maps上に出現した(関連記事)。公式発表されないままだった施設がこのタイミングで姿を現したのは、iCloudは言うまでもなくLionの発売が無関係ではないはず。しかも、Mobile Me(年額9800円)は2月下旬にパッケージ販売を突然停止、以来鳴りを潜めている。Mobile Meのリニューアルは必至、iCloudはMobile Meの後継サービス+αと見るのが妥当だ。

 ところで、次期OS X「Lion」の値段が下がる可能性はかなり高いと考えている。Mac App StoreにおけるApple製品を見ればわかるが、Apertureはパッケージ版1万9800円のところが9000円、iWorkは8800円のところが6900円(単品売りを合計)、Apple Remote Desktop(ARD)は5万4800円がなんと9000円だ。在庫リスクがなく流通経路を大幅に簡略化できるオンライン販売のほうが安くできる、これは確かだろう。

現在Mac App Storeで販売されているApple製ソフトウェア。ここにLionが追加されるか※クリックで拡大画像を表示 現在Mac App Storeで販売されているApple製ソフトウェア。ここにLionが追加されるか※クリックで拡大画像を表示

 OS Xのパッケージ価格はといえば、2005年発売のTigerと2007年発売のLeopardは同じ1万4800円。Leopardユーザー限定のアップグレード版に位置づけられたSnow Leopard(3300円)の事情は考慮しなければならないが、もしApp Storeでのダウンロード販売が実施されるとすれば、Lionのプライスタグは1万4800円以下になることだろう。

 iCloudに話を戻すと、姿を現したデータセンターの規模からして、単なるMobile Meのリプレイスとは考えにくく、情報が明らかにされた時期からもLionとの深い関連がうかがえる。OS Xにクラウドサービスを盛り込むにも絶好のタイミングだ。

 その前提で従前のルールに従い単純計算すると、1万4800円+9800円の2万4600円がパッケージ販売の初期コストとなるが、そのような大幅値上げに打って出るとは考えにくいし、Mac App StoreにおけるApertureとARDの例もある。

 だから、App Store経由の販売で「Lion+iCloud」のセット価格1万5000円前後がストライクゾーンなのか、と見ているが……ふだんはこのような予想記事を書かないことにしているのだが、WWDCというお祭り前につき平にご容赦願いたい。

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