次期OS「Lion」の新情報を分析する

海上忍
2011-03-03 15:12:25
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 次期OS X「Lion」の追加情報が、Appleのウェブサイトに掲載された。同じタイミングで発表された新MacBook Proに気を取られがちだが、なかなかどうして、参考になる情報は多い。開発者向けには、Mac Dev Centerを通じプレビュー版の配布が開始されたところだが、ここではウェブサイト上の記述を引用しながらLionの新情報を整理してみたい。

サーバ版のパッケージ販売は終了する?

 Xserveの製造中止でいよいよ確定的となった、Appleのエンタープライズ事業縮小方針。2008年にXserve RAIDがディスコンとなった時点では、他社とのコスト競争を止めたのかとも解釈できたが、次の「Lion」ではサーバとしての機能(Lion Server)をコンシューマ版(Lion)の一部として用意するという。これは、パッケージ販売されるサーバ版の事実上の終えんと見ていいだろう。

 サイトの説明を見ると、MacやiPhone、iPadなどのクライアント機を統括管理できる「プロファイルマネージャ」が追加される以外は、目立った新機能がない。Wiki Serverも2から3へとバージョンアップしているが、スクリーンショットから判断するかぎり変化の幅は微妙だ。管理ツールのアクティブな開発はもはや期待できず、今後は"ユーティリティフォルダ化"していくと見ているのだが、どうだろう。

SSDの標準ストレージ化は当面先?

 2010年10月のBack to the Macイベントでは触れられなかった、「オートセーブ」と「バージョン」、そして「再開」は、文書/データ管理に関するLionの新機能だ。詳細はAppleのウェブサイトで確認いただくとして、ここではその仕組みに注目していただきたい。

 まずは「オートセーブ」。“書類のコピーを追加で作るのではなく作業中の書類の中に変更を保存”とあるので、作業中のファイルの容量は若干増えるはず。それにともないディスクアクセスが増えるとすれば、HDDに比べ書き込み可能回数が少ないSSDには不安材料となる。

 Time Machineライクな「バージョン」も、差分を管理する以上はディスクスペースの消費量が増えるはず。書類作成時の更新頻度は1時間と、書き込み回数は気にするほどでもなさそうだが、容量に乏しいSSDにとってはマイナス材料となりうる。物理メモリの内容を/var/vm/sleepimageにダンプするスリープ機能のような「再開」も、その機能からしてストレージを相当量消費することは明らかだ。

 このように、LionはHDDでの利用を前提に設計されているフシがある。今後SSDの普及が進むことは確実と思われるが、LionはSSD向けに最適化されているとは言い難い。2代目MacBook Airの優れたパフォーマンスを体感し、SSDが(ノート型)Macの標準ストレージとなる日は近いかとも考えたが、まだしばらくはHDDの時代が続きそうだ。

開発者向けにプレビュー版の提供が開始された「Lion」 開発者向けにプレビュー版の提供が開始された「Lion」
  • コメント(1件)
#1 Cheshirecat   2011-03-07 10:24:50
「バージョン」はSSDを有効利用する技術なのでは?
基本的に「消去」が苦手なFlashメモリを逆手に取って、消さざるを得なくなるまで古いメモリブロックを残しているんじゃないかな。
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