いまある材料で新OS「Lion」を予想(ユニバーサルバイナリ編)

海上忍
2010-11-10 18:54:19
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 「Back to the Mac」イベントで、OS X次期バージョン「Lion」が発表された。発表された内容は、Appleのサイトにあるとおり、ラウンチャーの「Launchpad」、全画面表示の長所を生かす「フルスクリーンアプリケーション」、SpacesやExposeといったウィンドウ管理機能の集大成といえる「Mission Control」といったGUI関連機能に限られている。もっと情報が欲しい、と思うのは筆者だけではないだろう。

 しかし、Snow Leopardにある現実と、これまでAppleがしてきたことを材料にすれば、ある程度予測可能なこともある。単なる予想ではなく確証を挙げながらの作業となるため、微に入り細に入りの感も否めないが、これから数回にわたりピックアップしてみたい。

 第1回は「バイナリのスリム化」について考えてみる。これは、Snow Leopardだけを見ても確度は高いと思われる。

 OS Xのバイナリ形式「Mach-O」は、前身のNEXTSTEP/OPENSTEP以来「マルチアーキテクチャバイナリ(MAB)」、今で言うユニバーサルバイナリを採用している。1つのバイナリファイルに複数アーキテクチャのプログラムを収録できるというMABの特性は、アーキテクチャごとに配布ファイルを用意する必要がないという点でメリットだが、当然ながらファイルサイズがかさむというデメリットもある。

 PowerPCのサポートを止めたSnow Leopardでは、多数のバイナリファイルからPowerPCバイナリが取り除かれた。しかし、これは/Applications以下にあるSafariなどのアプリケーションや、/usr/binといったディレクトリに置かれるUnixコマンドの話で、システム領域にあるアプリケーションやフレームワークの多くには、Snow Leopardの現在もPowerPCバイナリが収録されている。

 HDDの大容量化が著しいこともあり、取るに足らない話では? と考える向きもあるだろうが、Appleがこの状況を放置すると考えるほうが不自然だ。前述したとおり、アプリケーションやUnixコマンドの多くがPowerPCバイナリの削除を実施済みで、LionでPowerPCをサポートする可能性はまずないからだ。

 実例をもとに説明してみよう。AppKit.frameworkのバイナリは、x86_64とi386、powerpc7400に対応する現在はファイルサイズが45.4Mバイトあるが、ここからlipoコマンドでpowerpc7400部分を取り除くと30.8Mバイトに減少する。多数あるフレームワークに対しこの処理が行われれば、ディスクスペースの大幅な節約になるはずだ。

 HFS Plusに圧縮機能を実装するなど、ムダの排除にぬかりのないAppleのこと、これを見逃すはずがない。そして、ユニバーサルバイナリのスリム化は、来るべき「完全64ビット時代到来」を思わせるのだが……その件は次回。

Snow Leopardのフレームワーク Snow Leopardのフレームワークの多くは、バイナリ部分にいまなおPowerPCバイナリを抱えている
  • 新着記事
  • 特集
  • ブログ
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]