“本家”と異なるEmacsプロジェクト「Aquamacs」

海上忍
2010-08-26 13:04:09
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Mac OS Xには、Public Betaの時期からEmacsが収録されている。それはSnow Leoaprdの現在も変わらないが、ウィンドウシステム無効の設定でコンパイルされているため、ターミナル内でしか利用できない。ほかの一般的なMac向けアプリケーション同様、独立したウィンドウで作業したければ、ソースコードから自力でコンパイルするか、Carbon Emacsパッケージなどの配布物を利用するしかない。

 以前もお伝えしているが、GNU Emacsは2009年7月リリースのバージョン23.1から、それまでのCarbonからCocoaへとMac OS Xで使用するAPIを変更した。筆者もそれ以降は、Emacs 23.1のソースコードにMacEmacs JPプロジェクトのインラインパッチ(最新版はこちら)を当てたものを自力ビルドにて使用している。

 一方で、本家Emacsとは異なるプロジェクトも進展している。その1つが今回紹介する「Aquamacs」で、GNU EMacs 23.2.5をベースに改良を加えている。オリジナルGNU EmacsをビルドしたものがMac OS Xユーザーにとって正統のEmacsだとすると、こちらはMac OS X向けにカスタマイズされた亜種という位置付けだ。

 本家GNU Emacs(Cocoa Emacs)との機能差は少なくない。バッファがタブで表示され、ツールバーのデザインもリファインされている。キーバインドにも手が入れられ、Command-Tで新規バッファ(画面上では新規タブ)を追加するなど、OS Xの流儀も取り入れている。AUCTeXやCocoAspellなどオプショナルパッケージも多数追加されているので、導入の手間も省ける。開発が活発に行われ、バージョンアップ頻度が高い点もうれしい。

 しかしこのAquamacs、少々クセがある。スタートアップファイルには「~/.emacs」のほか、Emacs 23で一般的な「~/.emacs.d/init.el」も利用できるが、Optionメニューで施した設定は「~/Library/Preferences/Aquamacs Emacs/Preferences.el」に反映されるため、ほかのEmacsと共存させにくい。

 原因は特定できていないが、通常ありえない位置で日本語テキストが折り返し表示される問題もある。M-x toggle-truncate-linesを2度実行すると正しく表示されるのだが、コードベースが近いCocoa Emacsでは見られないだけに悩ましい。機能面では魅力だが、Cocoa Emacsから積極的に移行するには説得力不足かな、といったところだ。

Aquamacs Aquamacsでは、このように妙な位置で折り返し表示されることがある。機能的には魅力だが、常用は時期早尚か? ※クリックすると拡大画像が見られます
  • 新着記事
  • 特集
  • ブログ