GIMPをMac OS X向けに最適化した「Seashore」を試す

海上忍
2010-06-28 20:36:02
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 かなり以前から、Mac OS X向けに画像加工、編集ソフト「GIMP」を最適化しようという計画がある。GIMPは、動かすだけならPublic Betaの時代から可能だが、X Window Systemへの依存、GIMPが大きく依存するGUIフレームワーク「GTK+」のAquaネイティブ化の難航がネックとなっていた。後者の試み(GTK+移植プロジェクト)は、筆者が覚えているものだけでも3つあるが、安定して開発が続くプロジェクトの記憶はない。

 そうこうしているうちにX Window System(X11.app)の改良は進み、バンドル化されたGIMPも配布されるようになった。X Window System/GTK+への依存は変わらず、Aquaデスクトップとの間には日本語入力など埋めがたいギャップがあるものの、扱いやすくなったことは確か。

 そうした流れとは別に開発されてきたアプリケーションが「Seashore」だ。GIMPのソースコードを改変、GTK+などX Window System上で動作するライブラリへの依存をなくし、Cocoa/CarbonなどOS XのAPIを利用するよう書き換えられている。

 その結果生じるメリットは大きい。X11.appに依存しないため起動が速く、メモリ消費量も少なく済む。コピー&ペーストなど、ほかのOS Xネイティブアプリケーションとの連携もたやすい。ことえりなどの日本語IMEで直接文字を入力できるので、kinput2を使わずに済む。フォント管理機構も、X Window SystemではなくOS Xネイティブのものだ。GIMP由来の強力なレタッチ機能をOS Xでシームレスに利用したい、こう望んでいたユーザーにとっては朗報だろう。

 実はこのSeashore、3年ほど前から開発が停滞していたのだが、先日バージョン0.5が突然リリースされ第一線に復帰した。ユーザーインターフェースを刷新、一見ではGIMPとの関連に気づかないほどOS Xネイティブアプリらしく進化している。Core Imageフィルタも多数追加され、結果をプレビューしながらエフェクトを適用することも可能になった。豊富なプラグインやScript-Fuなど、GIMPならではの機能で省略されているものも少なくないが、ツールボックス上のアイテムは一通りそろっているし、GIMP独自のファイルフォーマット「XCF」もサポートされている。

 これまで「GIMP? 写真屋さん(AdobeのPhotoShop)があるし、ちょっとした作業はPreview.appで十分」と考えていた向きには、GIMPのコア機能を継承しつつも動作は軽快、OS X独自機能をも取り入れたSeaShoreを試してみてほしい。

画像説明 Core Imageフィルタの「Glass Distortion」を適用したところ。不具合らしき箇所も多々残るが、OS X風味のGIMPとしては出色のできだ。 ※クリックすると拡大画像が見られます
  • 新着記事
  • 特集
  • ブログ