
あなたの知らないPKI(1)--PKIのコア要素/公開鍵暗号
佐藤直之(日本ベリサイン)
2008-11-13 12:00:00
2008年5月末、国は「電子署名及び認証業務に関する法律の施行状況に係る検討会報告書」を公表した。同報告書は2001年4月の「電子署名及び認証業務に関する法律」(以下「電子署名法」)の施行から5年を受けて、同法の附則に従い、総務省、法務省および経済産業省主導のもと、2007年12月から2008年3月末まで実施されてきた「電子署名及び認証業務に関する法律の施行状況に係る検討会」(座長:辻井重男 情報セキュリティ大学院大学学長)の報告書である。
この報告書を見ると、その前段部分で電子署名法の目的と背景、また、同法が施行されてから現在に至るまでの電子署名と認証事業、そして電子署名を中心としたPKIの利用シーンの変遷について大枠がまとめられており興味深い。PKIおよび我が国の電子認証の制度に興味を持つ方は、一度目を通されることをお勧めしたい。
さて、本連載では、PKIおよびこれに関連するいくつかの話題を、日本における法令や制度面の話を中心に、少しだけ整理していきたい。
PKIについては数多くの関連規格が存在し、それらは目を覆いたくなるほど膨大な量になる。本連載は、そのような技術の詳細に立ち入りすぎることなく、とは言っても、本当に重要な基本的部分は確実におさえつつ、この興味深く、独特な技術が、どのように社会基盤として役立っているのか、あるいは役立つ可能性があるのかを、ひも解いていきたい。
現段階で想定している各回のテーマは、以下の通りだ。
- 第1回: PKIのコア要素として、公開鍵暗号技術の概説
- 第2回: PKIのコア要素として、電子証明書と認証局の概説
- 第3回: PKIに関係する法令・制度として、電子署名の法的有効性などについて
- 第4回: PKIに関係する法令・制度として、書面の電子化、本人確認での利用など
- 第5回: PKIに関係する法令・制度として、行政機関でのPKI利用の例
- 第6回: まとめとして、PKIの現状と今後の展望
今回と次回の2回でPKIの基礎技術やその構成を復習し、第3回目以降でPKIの現状、課題、今後の取組みについてとりあげる。冒頭の電子署名法関連の話題については、本連載の第3回目以降で再度とりあげたい。
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