IPアドレスの読み方 その2--ネットワークのイロハ(5)

宮本健一(ノーテルネットワークス)
2007-07-30 08:00:00
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 また、前回、今回と登場の予告をしていた「サブネット(マスク)分け」とは、このCIDRを含む考え方の1つで、ネットワーク部を細かく区切ることだ。つまり、サブネットを増やすことである。サブネットとは、ネットワークを管理する際に管理単位となる小さなグループで、例えばクラスBをサブネット分けし、サブネットを増やすことで、部署単位やグループ単位にIPアドレスを分け与えることができる。新規や追加でアドレスを申請する必要がなくなり、自由度も高まる。

 また、サブネット分けをする際には、サブネットのネットワーク部の範囲を自由に設定できる。これを「VLSM(Variable-Length Subnet Mask)」という。例えば、部署A(サブネット)では端末が254個、部署B(サブネット)では、125個のアドレスが必要だとすると、以下のようにネットワーク部を変えることができる。

図2

 最後に「IPv6」についてお話ししよう。

 先に述べたとおり、元々IPv6はIPアドレス枯渇問題が起因となっていた。IPv4が32ビットで構成されるのに対し、IPv6は128ビットだ。16進法では以下のように表される。

図3

 IPv6では、IPアドレスが3.4×10の38乗と膨大な数を提供できるため、パソコン等の機器類の他にIP電話や家電等への付与も考えられ、次世代のネットワーク化の基盤として考えられている。特に日本では、大手キャリアや政府関連組織も推進しており、エンタープライズの分野でも、実際に使用するケースはまだ限られているものの、システム開発の提案依頼書などで記載されるようになってきた。

 欧米では、IPv4アドレスが数多く割り振れられているという実情と、一般で使用する「グローバルIPアドレス」と、社内などのプライベートな領域内でのみ利用する「プライベートIPアドレス」を変換する「NAT(Network Address Translation)」機能、また「ポート番号」も変換する「IPマスカレード」機能などによってIPアドレス枯渇問題が回避できるという公算から、IPv6への移行は日本やアジア諸国に比べあまり積極的ではない。また、IPv6とIPv4は基本的に互換性がないことや、技術的にもまだまだ発展の余地があるといった課題などもIPv6普及の阻害要因となっているようだ。

 ただ、日本と同様に政府機関等でIPv6への使用を喚起する状況も生まれてきたことから、今後は状況が変化していくだろう。ちなみに私が勤めるノーテルネットワークスでは、積極的にIPv6への対応を推進している(少し宣伝させていただきます)。

宮本健一
筆者紹介

宮本健一(みやもと けんいち)
ノーテルネットワークス エンタープライズアンドチャネルズ営業本部
エンタープライズマーケティング プロダクトマネジャー

担当製品: L4-7スイッチ、セキュリティ製品、他
経歴: 1998年某大手通信事業社入社。法人営業、通信機器マーケティングを経て、2005年11月ノーテルネットワークス入社。現職へ。
一言: Web 2.0、SOA、SaaS等とアプリケーション分野では新たな波が押し寄せており、それを支えるネットワーク分野も革新が行われています。新たなテクノロジーによる、新たなマーケットの創造を考えつつ、自分の知らない世界(分野)については、こっそりと「超基礎」コーナーから勉強する。そんな日々のギャップを密かに楽しんでいる今日この頃です。

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