Windowsの歴史 Windows Server 2008 R2編:名前は「R2」でも中身は……サーバOSベンダーとしてのMSが真価を問われる製品

横山哲也(グローバル ナレッジ ネットワーク)
2009-11-06 18:40:01
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Windows Server 2008 R2のカーネル

 Windows Server 2008 R2は、Windows Server 2008のマイナーバージョンアップだとされている。OSの内部バージョンはWindows Server 2008の「6.0」に対して「6.1」である。リリース順序から言ってもマイナーバージョンアップの番だし、「R2」という名前も「大きな変更はない」ことを示唆している。

 同じカーネルを使ったWindows 7がVistaと全く違う名前を使っているのは、単にWindows Vistaと大きく違うことをアピールするための方便であり、Windows 7もまたWindows Vistaからのマイナーチェンジである。

 ……というのが一般的な解説だ。筆者もそう信じてきた。しかし、どうもそうではないらしいということが分かってきた。

 Windowsの内部構造を解説した書籍「Inside Windows」の共著者であり、Windowsのカーネル検査ツールを提供する会社「Sysinternals」(現在はMicrosoftに買収)の創業メンバー、そして現在はMicrosoftの社員であるMark Russinovich氏は「Windows 7では、バージョン番号(の変更量)はカーネルの変更の量を表すわけではない」と指摘している。この発言は「Windows 7やWindows Server 2008 R2は、(内部的に)以前のOSからのマイナーチェンジではない」ということを示唆していると思われる。

 確かに、Windows Server 2008 R2ではサポートされるCPUコアが従来の64基から256基と大幅に増えているほか、カーネルのメモリ管理やCPUの割り当てアルゴリズムが変わっている。こうしたOSの基本機能が変わっているのだから、OS全体が大きく変わったと考える方が自然である。

 しばらく考えた結果、どちらの見方も正しいのだと思うようになった。アプリケーションから見た場合のWindows Server 2008 R2はマイナーバージョンアップである。カーネル内部では大きな変更があったとしても、APIレベルでの互換性が保たれていれば問題はないはずだ。以前は「APIレベルの互換性」は建前としてあったが、実際はカーネルが変われば動作も変わることが多かった。Windows Server 2008 R2ではカーネルが変わっても動作は変わらず、アプリケーションを変える必要もなくなったということだろうか。

 この考えがどれだけ正しいかは、同OSが実際に運用され、さまざまなアプリケーションがその上で動かされるようになってから証明されるだろう。もし、カーネルが変わっているのにアプリケーションの互換性が完全に保たれているのであれば、マイクロソフトもOSベンダーとして、それだけ成熟したということだ。

連載の終わりに

  • コメント(1件)
#1 anonymous   2010-01-08 23:04:23
なぜか巷ではMicrosoftは嫌いという人々が多い。一人勝ちしたOSのメーカだからか?
チョコマカとバージョンをアップし、そのたびに購入しなければならないユーザの悲鳴か?
一度買ったら少なくとも数年は 使い続けたい古き良きエコな人々の苛立ちか?
かくいう私も、購入したと思ったら新バージョン登場で 閉口してきた一人ではある。
しかし、著者の言われるように、新機能の恩恵を 受けてきたのであるから、当然の対価であり
マイナス面ばかりいわず、良い面を きちんと認めるべきだとの意見には賛同する。
様々なサーバOSがあるなかで、マウスを用い比較的安価で 十分に使いやすいサーバOSを
提供してくれたメーカであることは間違いないのであるから。
安定性の面で、UNIIXやリナックスに劣るといわれ続け、セキュリティに問題があるとの指摘も多く槍玉にあがることが多いが、地道にバグフィックス版を提供し、真摯に品質を上げ維持しようとする姿勢には、拍手を送りたい。コンシューマ向けには独占に近いシェアを獲得したのだから当然と見る向きもあるが、地味なサポートを可能な限り実施していることは事実であるので、
もっと評価されても良いように思う。
また、筆者のように奥底まできちんと理解しているとはいえない私でもあるので、少し心を入れ替え、より理解を深め、IT活用のコンサルとして より精進していこうとの思いを深めた。
本記事は、そのキッカケを与えてくれた。大変感謝している。
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