
Windowsの歴史 Windows Server 2008編:同じカーネルを持つ「Vista」とは対照的に早くから支持を得たサーバOS
「Windows Vista」と同じカーネルであったにもかかわらず、2008年2月(日本語版は同年4月)にリリースされた「Windows Server 2008」は早くから高い支持が得られた。それはなぜだろうか。
その要因はいくつかあるが、この連載のWindows 7編(Vistaの不満を解消し、XPを超える「定番OS」の地位目指す)で紹介した「Windows Vistaに対する不満」と対比させるとよく分かる。
1.大きくて重い……インストールするだけで数GBのディスク容量を必要とする。
サーバではディスクやメモリの容量を最初から多めに搭載していることが多い。物理メモリ512MB、ハードディスク40GBという要件は発売当時には特に問題にならなかった。
2.不具合の残存……多くのバグが残り一部の機能が出荷に間に合わなかった。
Windows Server 2008の開発プロジェクトはWindows Vistaと同時にスタートした。ただし、製品としてはWindows Vistaが先に登場し、Windows Server 2008はWindows Vista SP1と同じカーネルを使うことになった。Windows Vistaの不満の多くはSP1で解消しており、結果としてWindows Server 2008は高い品質が最初から得られた。
3.互換性が低い……Windows XP/2003との互換性を損なう部分が多い。
サーバアプリケーションはクライアントほど多くのバリエーションがあるわけではない。データベースサーバとウェブアプリケーションが動作すれば相当数の問題は解決する。.NET Frameworkを使ったアプリケーションが増えていたことも幸いした。.NET Frameworkを使う限り、OSの違いはほとんど意識する必要がない。
4.GUIの変更……GUIの見直しが行われ、多くの操作手順が変更になった。
サーバでは「Themes(テーマ)」サービスが動作していないため、Aeroも利用できない。そのため「見た目」が大きく変わることもなかった。コントロールパネルなどの表示は変わっているが、サーバではGUIそのものがそれほど重要視されていないため、大きな問題にはならなかった。
つまり、Windows Vistaの欠点は、どれもWindows Server 2008では大きな問題にならなかったのである。一方、Windows Server 2008では「Hyper-V」によるサーバ仮想化や、NAP(Network Access Protection)による安全なクライアントアクセスなど、多くのITプロフェッショナルが待ち望んだ機能が実装されていた。
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