
Windowsの歴史 Windows Server 2003 R2編:安定性と先進性の両立目指す「R2」の先駆けとなったOS
2006年に日本語版が登場した「Windows Server 2003 R2」は、以前紹介したWindows Server 2003(関連記事:Windows Server 2003編:存在も機能も地味、しかし人気のOS)にいくつかの機能を追加したサーバOSである。あまり知名度のない製品ではあるが、実は同社サーバ製品のロードマップ上で「R2」という名称の先駆けとなったOSだ。
「R2」が意味するところ
一般的に言って、サーバ製品のアップデートはあまり好まれない。新機能や先進性よりも安定性を重視する傾向があるからだ。しかし、だからといって同じ製品を永久に使い続けることもできない。ビジネスをめぐる状況は変化するし、ITインフラも変化する。特にインターネットに関わる分野の変化は激しい。
環境の変化に追従する方法は2つある。1つは進化することで、もうひとつは閉鎖的な環境を自ら維持すること――いわゆる「ガラパゴス化」だ。
筆者は「ガラパゴス化」を全面的には否定しないが、実際に閉鎖環境を維持するためには談合を行うか、政府の介入を必要とすることが多い。しかし、談合は消費者の利益にならず、そもそも違法である場合が多い。そして、産業保護のために政府が介入する時代は既に終焉を迎えている。
現在の市場環境では無理にでも進化せざるを得ないのが実情だ。
ITインフラには「安定性」と「先進性」という矛盾する2つの要求がある。両方に答えるために考案されたモデルが「R2」(リリースアップデート2)だ。(関連記事:マイクロソフト、「Windows Server 2003 R2 日本語版」の販売を開始)
R2を冠した製品の基本的な方針は、ベースとなるインフラを変えることなく新機能を導入するというものだ。最初に「R2」という名称を付与されたのは「Windows Server 2003 R2」だが、現在では「System Center」関連製品などに「R2」が存在する。
ただし、「R2」の意味は製品ごとに大きく違う。Windows Server 2003 R2のカーネルは、Windows Server 2003と完全に同じであるが、「Windows Server 2008 R2」は「Windows Server 2008」と全く違う。同じR2でも変化の度合いが製品ごとに違う点には注意が必要だ。
Windows Server 2003 R2の構成とライセンス
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