Windowsの歴史 Windows Vista編:UACでセキュリティ強化も結果は裏目に出た不遇のOS

横山哲也(グローバル ナレッジ ネットワーク)
2009-10-24 23:33:00
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 コンシューマー系Windowsとビジネス系Windowsのアーキテクチャを一本化した「Windows XP」はユーザーから高い評価を受けたが(関連記事:登場から8年--多くのユーザーに使われ続けた定番Windows)、登場から5年も経つとさすがに問題も出てきた。こうして登場したのが「Windows Vista」である。

Windows XPへの不満

 Windows XPは、市場で高い評価を受けた。企業ユーザーからは「Windows 2000」との高い互換性が評価され「より安定したWindows 2000」として利用された。

 互換性は、マイクロソフトが提供する「互換性フィックス」機能によるところが大きい。互換性フィックスは、特定のアプリケーションに対してバージョン番号の偽装やAPIの動作を変更する機能である。

 コンシューマーユーザーからは、その安定性が歓迎された。Windows XPより前のコンシューマー向けOSの主力は「Windows Me」だった。16ビットコード特有の問題が安定動作を阻害していたし、大量のメモリを有効に使うことも難しかった。

 こうしてみると、Windows XPには何の問題もないように思える。実際、ネット上のBBSなどでは今でもWindows XPの人気が一番高い。ではWindows XPからWindows Vistaに移行する意味はあったのだろうか。

セキュリティの強化

 実際、Windows XPに不満を持っていたのはマイクロソフト自身である。特にセキュリティに関する課題が多かった。いくつか例を挙げてみよう。

 Windowsには、管理者権限が必要な操作と一般ユーザーで行える操作が混在している。これはWindows 3.1のユーザーインターフェースを継承しているためだ。Windows NT 3.1以来、内部的には管理者権限が必要な作業と不要な作業を区別しているが、GUI上の区別はない。

 Windows NTでは一般ユーザーとしてログオンした場合、管理作業を行うには再ログオンを行う必要がある。ログオフとログオンの繰り返しは、それまでの作業を完全に終了する必要があるため、面倒だし心理的な抵抗も大きい。結果として、多くのユーザーが普段から管理者としてログオンしてきた。その結果、Windowsは有益なプログラムに見せかけてシステムを破壊したり、セキュリティを侵害したりする「トロイの木馬」型マルウェアの温床となった。

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