Windowsの歴史 Windows 95編:一般ユーザーが技術用語と向き合い始めたOS

横山哲也(グローバル ナレッジ ネットワーク)
2009-06-05 18:41:01
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 WindowsはWindows 3.1をもって一応の完成を見るが、解決すべき課題は多かった。これらの課題はi386の機能を使うことで解決できることが分かっていたが、互換性を損なうことは許されなかった。

 Windows 3.1との互換性を最大限に保ちつつ、問題点のほとんどを解決したのがOSが必要だった。Windows 95である。

Windows 3.1の問題点

 Windows 3.1は市場で広く受け入れられ、エンタープライズ分野でも利用されるようになった。筆者が仕事で初めて使ったPCもWindows 3.1だった。ただし、Windows 3.1には次の3つの問題があった。

  • マルチタスクの制限
  • メモリ利用の制限
  • ネットワーク機能の制限

 前回の記事「Windowsの歴史 Windows 3.x編」と一部重複するが改めて解説しよう。

マルチタスクの制限

 Windows 3.1はノンプリエンプティブなマルチタスク(「協調型」とも呼ぶ)を実装していた。前回紹介したとおり、ノンプリエンプティブなマルチタスクは、アプリケーションが入出力待ちになったときや、自発的にCPU使用権を放棄したときだけ他のアプリケーションを起動できる。

 これはOSの動作効率がよい反面、プログラマーに対する負担が大きかった。

メモリ利用の制限

 主記憶のうち1MB以下(実質的には640KB以下)は「コンベンショナルメモリ」と呼ばれ、特別な目的で使われていた。コンベンショナルメモリが足りなくなるとOSが正常に起動しない。

 特にTCP/IPはメモリの消費量が大きく、ネットワーク機能を組み込むとアプリケーションが動かないことがよくあった。筆者は起動メニューを構成して[ネットワークありブート]と[ネットワークなしブート]を切り替えて使っていた。起動メニューの機能はMS-DOS 5.0以降で利用できる。

ネットワーク機能の制限

 TCP/IPを含め、ネットワーク機能が標準ではなかった。ただし、このことはNetWareやLAN Managerのような社内システムで使う分には問題がなかった。NetWareやLAN Managerクライアントに必要なネットワーク機能が含まれたからだ。

 しかし、インターネットが一般的になってから状況は変化した。

 インターネットでは特定の社内サーバではなく、不特定多数のサーバにアクセスする。NetWareもLAN Managerも持っていない人がネットワーク機能を必要とするようになってきたのだ。

 1992年にAT&T Jensが日本初の商用ISP、IIJが日本企業初の商用ISPとしてサービスを開始すると、TCP/IPプロトコルに対する需要が急速に高まった。当時は、ウェブブラウザとTCP/IP機能をセットにして販売することが多かった。筆者もNetscape NavigatorにTCP/IPが同梱されていたことを覚えている。

Windows 95の登場

 こうした中で登場したのが、1995年11月23日に日本語版が発売されたWindows 95である。

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