
Windowsの歴史 Windows 1.0前夜編:MacintoshとWindows 1.0
現在、最も多くのパーソナルコンピュータで使われているOSは間違いなくWindowsだ。しかし、Windowsは最初から現在のような姿をしていたのではない。今回は、最初のWindows「Microsoft Windows 1.0」とその前史について紹介する。
CUIの時代
MS-DOSはそれ以前のOSと同様、キャラクタベースのユーザーインターフェースを持っていた。これをCUI(キャラクタ・ユーザー・インターフェース)と呼ぶ。MS-DOSのユーザーインターフェース(UI)は「シェル」と呼ばれ、COMMAND.COMというプログラムがそれを担当した。
COMMAND.COMには前回実行したコマンドを再実行する機能が用意されており、他のOS、たとえばCP/Mよりは使いやすかった。
現在のWindows Vistaでもその片鱗が残っている。たとえば以下の操作をしてみてほしい。
- コマンドプロンプトを起動
- 適当なコマンドを実行(ここではtype c:\autoexec.batを実行したとする)
このあとコマンドプロンプトでF1キーを押すと、前回実行したコマンドの先頭1文字が表示される。F1キーを繰り返し押すと、押した回数だけ文字が順番に表示される。4回押せばtypeの4文字が再表示されるというわけだ。
続いてスペースを押して別のファイル名をタイプすればタイピングの手間が多少省ける。F3キーを押せば前回入力したコマンドが再現する。その他に文字の挿入なども可能だ。今となっては相当まどろっこしいが、以前は結構便利に使っていた。
しかし「便利」といっても相対的なもので、決して使いやすいものでなかった。そこで多くのホビイストがCOMMAND.COMに代わる、あるいは強化するツールを作成した。その多くは現在のCMD.EXEと同様、上下のカーソルキーでコマンドの履歴を呼び出し、左右のカーソルキーでコマンドを編集するというものだ。
Microsoft自身もDOSKEY.EXEというツールをMS-DOSにバンドルしたため、F1キーなどによる再実行機能は忘れられた。
キャラクタウィンドウの時代
続いて登場したのがメニューベースシステムだ。キャラクタで作ったウィンドウシステムといってもよい。