最終回:統合進むiOSとOS Xの未来像

海上忍
2012-04-02 16:04:00
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 始まりがあれば終わりがある……本連載もこれにて最終回、次回からはタイムリーなトピックを取り上げ考察する新連載にリニューアルすることとなった。まずはご愛顧いただいた皆さまにお礼を申し上げたい。

 終わるといえば、製品も例外ではない。Palm然りBeOS然り、PC-98シリーズ然り。好調な業績が続くAppleですら、Xserveを製造終了するなど「前進のための終了」を忘れていない。まだ噂の域を出ないが、3年近くモデルチェンジしていないあのデスクトップ機も、近い将来正式に終了が発表されるのではなかろうか。

 iOSという派生を出したOS Xはそれに含まれない、と考えるのはいささか楽観的だ。ソフトウェアとしてのシステムアーキテクチャに共通項が多い両者のこと、統合は規定路線だ。Launch PadやフルスクリーンなどOS X Lionのデスクトップ構成要素がiOS寄りになったのも、ユーザーに対する意思表示をわかりやすくするためで、真の狙いはAPI群の整備/共通化および開発体制の統合にあるのではないか。

 その流れを裏付けるのが、iCloudの存在だ。すでに多くのユーザーは、カレンダーやアドレスブックのデータをiCloudに置くようになり、結果としてiOS/OS Xどちらからでも同じリソースにアクセスできるようになった。文書のデフォルトの保存場所をクラウド上に置く「Document in the Cloud」は、すでにiWorkなどいくつかのiOSアプリで利用され、次期OS XのMountain Lionにも本格導入される。クラウドでユーザーのリソースも共通化、というわけだ。

 各デバイスには個性(ハードウェア的な差異)を設けるとして、OS/ソフトウェアおよびユーザーリソースは可能なかぎり共有化する。これがAppleの基本姿勢だとすると、デバイスにはその特性に応じた機能(ソフトウェア)を割り当てればよく、敢えてOS XとiOSに明確に分けておく必要はない。その方向性で開発されたのがLionであり、次のMountain Lionなのだろう。

 だが、ユーザーに負担を強いないシームレスな移行スケジュールが組まれているのだろうから、冒頭に書いた「終了」という形での最後はないはず。1年など短いスパンでOSのアップデートを続け、iOSおよびiCloudとの統合を進め、最後にサラリと名前を変えるのではないか。それも、ユーザーの誰もが納得する名前に。

 最終回を予想で締め括るのもどうかと思うが、その名前は……ズバリ「Apple OS」。ネコ科の名称がネタ切れしてきたこともあり、星の名前かなにかにコードネームも変わるのだろう。結果がわかるのはおそらく数年後、さてどうなるか。


次のMountain Lionで「OS X」に名称変更されるMac OS X。iOSとの統合が進めば、再度の名称変更も大いにありうる
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