Amiga、REBOLの思想を引き継ぐスクリプト言語「Red」

海上忍
2012-01-06 08:00:00
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 Amigaというと、ECSやAGAといったカスタムチップなど、独特なハードウェアアーキテクチャを連想しがちだが、システムたるAmiga OSもなかなかどうして、注目に値する存在だった。

 1985年にデビューしたAmiga OSは、マイクロカーネル風アーキテクチャを採用、設計において他のコンシューマ向けOSの数歩先を行っていた。プリエンプティブマルチタスクに対応していたことも、当時のMS-DOS(シングルタスク)やMac OS(疑似マルチタスク)と比較すると、先進性は明らかだろう。

 そのカーネル(Exec)の開発にあたった中心人物が、Carl Sassenrath氏だ。彼がAmiga OSの開発に従事した期間は短いが、基本設計は連綿と引き継がれ、Amigaの独自性を支える基盤となった。

 現在Sassenrath氏は、REBOL Technorogiesで「REBOL」というプログラミング言語の開発に従事している。その設計および文法は独特なもので、大いに普及しているとは言い難い存在だが、GUIの実装の容易さには定評があるところだ。

 そのREBOLにインスパイアされて開発されたスクリプト言語が「Red」だ。命名理由に「Reduced REBOL dialect」とあるようにマルチプラットフォーム指向であり、静的/動的コンパイルのいずれにも対応する。クロスコンパイルも可能で、実際にMac OS X上でLinuxやWindows向けのネイティブバイナリを生成できる。C言語のようにシステムレベルへのアクセスも可能で、GTK+やSDLといった外部フレームワークも利用できる。

 実装はアルファステージであり、実用化はしばらく先だが、すでにiOSやAndroidのサポートを表明していることも特徴的だ。アプリ開発プラットフォームにまで進化を遂げるかどうかはわからないものの、REBOLのサンプルコードを読むかぎり、開発の効率化に役立ちそうな気配はある。

 AmigaからREBOL、そしてRedへと話を移したが、それはRedにAmiga的な何かを感じたからだ。「Exec」などOSの基本コンセプトがしっかりしていたからこそ、“なんでもアリ”のAmigaが成立したわけで……次回は、REBOLの導入と利用方法について解説する予定だ。


クロスコンパイルOK、マルチプラットフォーム対応のオブジェクト指向スクリプト言語「Red」