
特集:builder的Lionのみどころ--開発環境:API周りの変更点(後編)
HiDPIモード(Resolution Independent)
LionのGUI表示は「Resolution Independent」(解像度非依存)である。
つまりディスプレイの表示解像度が上がっても、コントロールやそこに表示されている文字列は指定サイズで美しく表示できる(ベクトル拡大)。この機能はMac OS X 10.4の時代から準備されており、通常はOFFになっている。皮肉なことに、日の目を見たのはRetina(2倍解像度)ディスプレイを搭載したiPhone 4が先である。
ONにするには、SDKに付属している「Quartz Debug」を起動し、「Enable HiDPI display modes」をチェックする。再度Log inしてから「ディスプレイ」環境設定の「解像度」を見ると、その一覧に「HiDPI」モードが追加されていることが分かる。
何故「ディスプレイ」環境設定にHiDPIモードのON/OFF設定が無いのかは謎である。まだMac用のRetinaディスプレイが存在しないのが理由かもしれないが、使い方によっては便利な機能である。残念なことに、CarbonアプリケーションのGUI表示では、このモードの恩恵は得られず、昔からある単純な「拡大」(ビットマップ拡大)表示となってしまう。
今のところ開発者が注意すべき点は特に無いが、将来的にMac用の高解像度ディスプレイが登場し、一般ユーザーによるHiDPIモードのON/OFFが可能になれば、iOS同様、リソース内に2倍解像度のアイコンや画像を用意することが推奨されるかもしれない。
著者プロフィール
小池邦人(有限会社オッティモ)
1960年生まれ。有限会社オッティモ 代表取締役プログラマー。Apple社とはApple II ユーザーとして1980年以来のおつき合いです。ソフトを購入するお金がなかったので欲しいソフトを自作していたら、知らぬ間に職業プログラマーになっていました。
筆者はソフト開発者をサポートするNPO法人「MOSA」の会長をしています。MOSAでは会員専用のBBSも用意し、そこでMac OS XやiOSに関する情報交換をしています。もしMOSAの活動にご興味があるようなら、以下のサイトを覗いてみてください。
MOSA: http://www.mosa.gr.jp/
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