Linux FoundationとCE Linux Forumが合併--組み込みLinuxの普及促進

富永恭子(ロビンソン)
2010-10-28 17:09:17
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 The Linux Foundationと、Consumer Electronics Linux Forumは10月27日(米国時間)、両者の組織を統合してCE Linux ForumがLinux Foundationの技術ワークグループとなることを発表した。この合併により、Linux Foundationは組み込み分野での技術プログラムをさらに拡充していく意向だ。

 Linux Foundationは、Linuxの成長促進に取り組むグローバルな非営利コンソーシアムとして2007年に設立された。各種ワークグループやイベント「LinuxCon」の開催、オンラインリソースの運営など、Linuxの普及促進と保護、そして標準化に取り組んでいる。日本ではNEC、日立製作所、富士通が設立メンバーに名を連ねている。

 一方のCE Linux Forumは、家電メーカー大手8社により、消費者向けのデジタル家電製品におけるLinuxの利用を促進するための非営利コンソーシアムとして2003年に設立された。パナソニック、ソニー、日立製作所、NEC、Royal Philips Electronics、Samsung電子、シャープ、東芝が参画している。Linuxベースの組み込み機器の開発と発展に取り組む国際的技術者集団として、知識共有と連携という役割を担ってきた。

 今回の合併は、両団体のリソースを統合することで、家電業界におけるLinuxの普及がより効率的に進むとの考えによるものだという。また、Linux Foundationのメンバーの多くはCE Linux Forumのメンバーでもあり重複が多いこと、両団体の活動目的が合致していることに加え、組み込み分野におけるLinux関連企業と開発者が近年大幅に増加していることから、統合によって「組み込みLinux市場の成長」を実現したい考えだ。

 Linux Foundationは今後、組み込み分野における技術活動と、従来のCE Linux Forumの活動継続に力を入れていくことを表明。統合に合わせて組み込み分野を対象とするワークグループ「Yocto Project」を組織したことも発表した。

 Yocto Projectは、ワークグループの名称でもあり、かつそこで検討されるオープンソースツールの名称でもある。

 ツールとしてのYocto Projectは、ハードウェアアーキテクチャに依存せず、企業が組み込み製品向けにLinuxシステムをカスタマイズする際に役立つ高品質なオープンソースソフトウェア。一般的に難解とされる組み込みLinux開発を容易にするために必要な要素を集結する。間もなくバージョン0.9を発表し、ビルドツール群のイニシャルバージョンを提供する予定だ。

 Linux Foundationのエグゼクティブ ディレクターであるJim Zemlin氏は、今回の統合について、「CE Linux Forumは近年のLinuxの急速な普及の中にあって、家電業界で大変重要な役割を果たしてきた。彼らの技術的取り組みと、Linux Foundationの広範な活動範囲、既存のスタッフとプログラムなどを統合することにより、業界とLinux開発者コミュニティの緊密な連携が実現し、組み込み分野にも一般ユーザーにもLinuxが一層浸透することになるだろう」と述べている。

 また、CE Linux ForumのChair of the Boardである日本IBMの浅井信宏氏は、「CE Linux ForumとLinux Foundationは、ここ数年、技術イベントを毎春共同開催し、技術情報を交換してきた。両組織が関心を寄せる技術分野はますます広範囲になっており、今回の合併は、家電製品におけるLinuxの利用を促進し、Linux開発者コミュニティにおける家電関連企業の関わりを強化するための自然な流れだ」と説明している。

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