「Windows 7実行PCの86%がメモリを上限近くまで使用」って本当?

文:Adrian Kingsley-Hughes(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2010-03-04 07:00:00
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アップデート(米国東部標準時間2010年2月21日14時2分):Devil Mountain Softwareとxpnet、およびCraig Barth氏とRandall C. Kennedy氏について重要なことが判明した(関連英文記事)。

 IT評論家たちは、Devil Mountain Softwareの最高技術責任者(CTO)であるCraig Barth氏に長い間騙されていたようだ。Craig Barth氏というのは、実はInfoWorldの元記者であるRandall C. Kennedy氏の別名だということが明らかになったのである。

 筆者がこの件について付け加えておかなければならないことは、Devil Mountain Softwareのexo.performance.network(xpnet)ソフトウェアをPCにインストールしている読者の方々に対して、私であればこのソフトウェアをアンインストールするというアドバイスのみである。Devil Mountain Softwareは、収集されたデータと「あなたの個人アカウントを関連付けることで、個人を特定するようなことは行っていない」と主張しているものの、それは真実から程遠いものである(関連英文ブログ)。こういった事実を考えた場合、筆者のアドバイスはさらに説得力を持つはずだ。

 ComputerWorldに掲載されたGregg Keizer氏の記事(英文)に関して、筆者のところに一晩で数多くの電子メールが寄せられた。この記事では、Devil Mountain Softwareが運営しているコミュニティーベースのexo.performance.network(xpnet)によって収集されたデータが引用されている。その内容は、モニタリング対象となっているWindows 7マシンの約86%において、メモリの使用率が90〜95%に達しているという状況が日常的に発生しているというものである。この記事についてあまりにも多くのメールを受け取ったため、筆者は沈黙を破って意見を言わざるを得なくなったというわけである。

 まず、筆者は当初この記事を採り上げるつもりがなかったということについて説明しておきたい。正直なところ、筆者はxpnetのデータを信頼できる情報源だとは考えていない。データの収集とその相関関係を洗い出すという作業は一筋縄ではいかないうえに、xpnetのデータ収集方法や収集対象データを詳しく調べようにも分からないことだらけなのである。それがこの件に関する筆者の感覚であり、考えでもある。とは言うものの、読者の方々は、自身で結論を導き出すようにしていただきたい。

 そういう訳だが、ともかく同記事の主張を見てみることにしよう。

xpnetに参加しているWindows 7マシンの86%が、利用可能なメモリの90〜95%を日常的に消費している

 まず最初に、筆者の目から見た場合、この数値は高すぎると言える。筆者のWindows 7システム(メモリが1Gバイトのものから24Gバイトのものまである)を調べてみると、最もメモリ使用率の高いマシンでも42%前後に留まっている。このマシンは2Gバイトのメモリを搭載したノートPCであり、その上でブラウザ2つとワープロソフトを実行しながらリモートデスクトップのセッションを開設した際に、こういったメモリ使用率を示していた。

 また筆者は、複数のWindows 7システムを実行している他の人々に声をかけ、ComputerWorldの記事で報告されているような事象が起こっているかどうかを尋ねてみた。だがこれまでのところ、ゲームで相当な負荷をかけているか、あるいは仮想マシンの実行やマルチメディアのエンコーディング処理といった負荷の高い作業を行っている時以外にこういった事象を経験したという話は聞こえてきていない。

 では百歩譲って、メモリの使用率が90%以上となるシステムが実際に世の中にあると仮定してみることにしよう。だからどうだというのだろうか?メモリが使用されていないということは、そのメモリが宝の持ち腐れになっているということに他ならない。システムに搭載されているメモリの容量が2Gバイトであれ、あるいは4Gバイトであれ、それはシステムによって使用される方が望ましいはずではないだろうか。Windows 7をはじめとするOSでは、メモリの要求が発生していない場合であっても、それらを効率的に活用し、OSの実行速度を上げるようになっている。

 メモリの使用率が高いということが問題になるのは、何らかの原因でメモリが占有されたためにメモリ不足が発生し、その結果としてシステムがディスクへのページングを実行するという場合のみである。xpnetのデータでは、ディスクへのページングやページフォルトについての情報が提供されていないため、メモリ使用率の高さがシステムにどのような影響を及ぼしているのかという観点からの意味ある結論を導き出せないのである。

備考:こういった問題点があるにもかかわらず、同記事は、高いメモリ使用率によって問題が引き起こされるということを示唆しようとしている。

「xpnetに参加しているWindows 7マシンの86%が、利用可能なメモリの90〜95%を日常的に消費している。その結果、システムはタスクの処理を行うために、頻繁にディスク上の仮想メモリを使用することになり、システムの動作が遅くなってしまう」

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