Linuxデスクトップは市場に受け入れられていない--その現実を直視してみる

文:Jason Hiner(TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2009-12-07 11:45:01
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デスクトップLinux:なぜ市場シェアを伸ばせないでいるのか?

 Linuxがデスクトップ市場で普及しない理由は何だろうか?以下に、シンプルな理由をいくつか挙げてみよう。

  1. 未だに苦労が絶えない--Ubuntu Linuxの登場により、一昔前に比べるとLinuxはずっと敷居が低くなったとはいうものの、新しいプリンタの設定や、デジタルカメラの接続、作業カレンダーの管理といったことは、Windows上で行う場合に比べると、まだまだ十分使いやすいとは言えない。次に、WindowsからMac OS Xに目を転じてみよう。Mac OS XはLinuxと同様、UNIXに基づくOSでありながらも、ほとんどの作業をWindowsよりもさらに簡単に行えるように作られている。その結果としてここ数年、Linuxユーザーとなるはずの筋金入りの技術者たちが、Windowsの代替としてMac OS Xに飛び付いている。
  2. Windows包囲戦略の失敗--Linuxデスクトップを推進する力は、ソフトウェアレベルにおいてはRed HatやSUSE、Ubtuntu、Debianなどに、そしてPCレベルにおいてはIBMやDellをはじめとするハードウェア企業の間で分散されてしまっている。10年前には、Linuxがさまざまな方角から攻め入ることで最終的にMicrosoft Windowsを打倒できると考えられていた。しかし実際には、Linuxを推進する力が分散してしまい、マーケティングという観点から見た際の攻撃力が鈍ることになってしまったわけである。
  3. イノベーションが不足している--Linuxの大きな売り文句は、Windows並みに優れており(言い換えれば、少なくとも「十分に良く」できており)、Windowsよりも格段にコストが安いということである。また、LinuxはWindowsよりもセキュアである、あるいは安定しているという話が耳に入ることもあるものの(その話は本当のはずだ)、そういったメリットの大半はUNIXという基盤によってもたらされたものである。では、Linux自体はデスクトップOSの世界にどのような革新的な機能をもたらしたのだろうか?筆者が思い付くのはデスクトップマネージャーと仮想デスクトップ(Mac OS Xも「Spaces」機能として採用することになった)だけだ。テクノロジ業界は(そしてテクノロジ業界をサポートするコンシューマーや企業も)今なおイノベーションを主な原動力としているものの、Linux開発コミュニティはWindowsを真似ようとするあまり、自らのOSにおけるイノベーションに十分な時間をかけていないということが言えるだろう。
  4. 企業は非難の矛先を向ける対象が欲しい--筆者の同僚であるBill Detwilerも述べているように、ITのプロフェッショナルたちは、重要なシステムに問題が発生して売上や生産性に悪影響が生じた際、非難の矛先を向ける対象を必要としているのだ。ソフトウェアに問題が発生し、その原因究明を求められた際、使用しているデスクトップPCがWindows(あるいはMac)であれば、Microsoft(あるいはApple)に対して非難の矛先を向けることができる。しかし、そのデスクトップPCがLinuxであった場合、その採用を決めたIT部門が不利な立場に追い込まれるのである。つまり、何か問題が発生した場合(例えばソフトウェアの互換性問題で生産性が低下するなど)、非難の矛先を向けることのできるような大手ソフトウェアベンダーが存在しないため、Linuxを採用するという標準的でない決断を下したIT部門の責任者が矢面に立たされるわけである。言い換えれば、Linuxを採用した場合、IT部門の責任者はより大きなリスクにさらされるということだ。
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