Fedora 12の改善点--性能、バグレポート機能、グラフィックスなどが強化

文:Vincent Danen(TechRepublic) 翻訳校正:石橋啓一郎
2009-12-01 13:16:01
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米国時間11月17日、Fedora 12がリリースされた。このFedoraは、いくつかの理由から過去もっとも目立ったリリースの1つと言えるかもしれない。このリリースは、中身に多くの改良が施され、x86(32ビット)のシステム向けに最適化されたものになっている。今回の32ビットサポート版はi686用にコンパイルされており、IntelのAtomプロセッサを扱えるように改良が施されている。Atomプロセッサは現在出回っている大半のネットブックに使用されており、ネットブックで使うにはより魅力的なOSとなった。

アップデートのダウンロード

 以前から多くの人がFedoraに持っていた不満の1つに、Fedoraのライフサイクル1回につき提供されるアップデートの量があまりにも膨大だということがあった。セキュリティやバグ修正、改良などのためのアップデートは、ほとんど2日に1回のペースで提供されていた。Fedora 12では、いくつかの変更を行い、この問題を若干和らげている。

  • RPMパッケージで、圧縮にgzipではなくXZを使うようになった。これによって、RPMのパッケージが小さくなる。パッケージが小さくなれば、ダウンロードするデータの量も小さくなり、ダウンロード時間も短くなる。
  • Fedora 11ではyumのprestoプラグインはオプションだったが、Fedora 12ではデフォルトで有効になっている。prestoプラグインはRPMの差分データを使用するため、大量のアップデートのダウンロードを行う場合のデータ量はかなり小さくなる。これは、差分データにはアーカイブ全体ではなく変更されたファイルだけが含まれているためだ。これによって一般には60%から80%帯域が節約できるが、今回からRPMではXZを使っているため、実際に節約できる帯域の量はそれ以上になる可能性もある(これは例えば、prestoを有効にしていないFedora 11と比較した場合の話だ)。

仮想化

 KVMにはかなりのオーバーホールが施され、性能、セキュリティ、リソース処理の面で多くの改善が加えられた。ホストOSから直接ゲストOSのディスクイメージにアクセスできるようにする、新しいツールも導入された。

Bluetoothのサポート

 この分野の改良は、Bluetoothは時々使うが、バッテリーの使用量も気になるというラップトップユーザーには耳寄りなニュースだ。Bluetoothのサービスは、要求されたときに起動され、最後にデバイスが使われてから30秒後に停止されるようになった。これによって、必要なときにはBluetoothを使えるようにしておきながら、使われていないときにはバッテリー消費を抑えることができるようになった。

バグレポート

 Fedora 12の私のお気に入りの新機能の1つは、Abrtだ。Abrtはユーザーがバグレポートをするのを助けるツールで、普通の人が自分で集めるのが困難な多くの情報を提供してくれる。例えば、Abrtはアプリケーションのクラッシュを検知し、そのクラッシュに関する詳しい情報(バックトレースや、その他の関係するシステム情報)を集め、ユーザーがその情報をBugzillaに報告するのを助けてくれる。ユーザーは自分でBugzillaのサイトに行ったり、電子メールで報告したりする必要さえない。

 Arbtは、開発者がバグの追跡し、情報を素早く集めることを容易にしてくれる非常に便利なツールであり、オープンソースコミュニティ全体がこのツールから恩恵を受けることができる。同様に、SELinux AVCの監視ツールにも、SELinuxのポリシー違反をRed HatのBugzillaに報告する機能が追加されたが、この情報は将来リリースされるFedoraで使われる総合的なSELinuxのポリシーを作るのに役立てられる。

グラフィック

 グラフィック面では、Fedora 12はGNOME Shellをプレビュー版として備えている。これを利用するにはデスクトップ効果を有効にする必要があるが(3Dグラフィックアクセレレーションが必要)、Fedora 12では以前はプロプライエタリドライバを使う必要があった一部のグラフィックカードに対する、実験的な3Dサポートも行っている。

 これらはもちろん、Fedora 12で提供される数多くの機能の一部に過ぎない。私は今回のリリースを特に素晴らしいものだと思っているが、何より素晴らしいのは強力な報告ツール群だ。バグレポートが簡単になり、SELinuxのポリシー違反の報告で今後のポリシーの修正が行われていくようになれば、将来のリリースをより強力なものにしていくための基盤になる。Fedora 12の主な新機能のリストについてはFedora wikiを参照して欲しいが、おそらくそのリストを見れば、誰でもFedoraを自分のデスクトップやワークステーション、サーバに使ってみたいと思う機能が何か見つかるだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

  • 新着記事
  • 特集
  • ブログ
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]