Windows 8はデスクトップOSの終焉となるか、次の流れを作るのか

文:Tim Ferguson 翻訳校正:石橋啓一郎
2009-10-20 08:00:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 本稿執筆の時点では、Windows 7はまだ店頭に並んでもいない。しかし、Windows 8に関する憶測は始まっている。

 Windows 7に関する大々的なキャンペーンがピークに向かおうとしている今、その後継となりそうなOSに関する断片的な情報が表に出始めている。

 Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏がWindows 8に関する作業がすでに進行中だと言明したと聞けば、うなってしまう人もいるだろう。

 この先数年間、おそらく2012年までは次世代Windowsが姿を現すことはないだろうが、Windows 7が店頭に並ぶ前からMicrosoftが次期OSの開発に着手していることは確かだ。

 その証左として、Ballmer氏は次世代Windowsにはさらに多くの機能が搭載されることを匂わせている。同氏は最近、「ある意味では、(Windows OSで)やることはまだたくさんある」とロンドンで発言している。

 MicrosoftはWindows 8の開発に関して沈黙を貫いているが、Ballmer氏は管理機能と音声認識機能の向上が開発上の優先課題であることを示唆している。また、Windows 8では128ビットアーキテクチャに対応するとの憶測も出ている。

 QuocircaのアナリストClive Longbottom氏は、Windows 8では仮想化技術がこれまで以上に前面に出るだろうと予想している。「Citrix同様に、VMwareやMicrosoftも究極のユーザー体験を提供する方法を模索している。彼らはOS内部のバーチャルデスクトップ機能やストリーミング、オンラインでもオフラインでもアプリケーションにアクセスできる機能などを拡充させて、仮想化機能を進化させたいと考えている」と同氏は語る。

 同氏はまた、Windows 8が「クライアントオペレーティングシステムの統合に向けた大きな一歩」になりうるとも指摘しており、Windows 8の発売予定は、Windows MobileやWindows Embedded、Windows Clientと足並みを揃えるべくタイミングが調整されている。

 これだけの追加要素があるものの、企業はWindows 8に対して必ずしも大きな変化を望んでいないとLongbottom氏は言う。企業にしてみれば、要するに仕事に使えてコストと時間の節約になり、長期にわたって使用でき、ビジネスプロセスを支援するOSがあればいいのだ。

 Windows 8は、Windows 7のマイナーアップになるという説が1つの有力な見方だ。OvumのリサーチフェローであるJonathan Yarmis氏は、Windows 8には3Dやジェスチャー認識の機能が搭載されることが考えられるが、そうした機能はWindowsに彩りを加える程度の位置づけになると予想している。

 Windows 8では音声認識の機能が向上するというBallmer CEOのコメントについて、Yarmis氏はそれを歓迎する企業ユーザーはわずかだろうと感じている。同氏は「いわゆる画期的新展望(new vista)になるかというと、そうは思わない」と述べている。

 Windows 8が純粋なパッケージOSの終焉を告げることになる可能性もある。パッケージソフトからオンラインプラットフォームへという技術の流れは、後戻りできないほどに進んでいるからだ。

 Yarmis氏は、Windows 8はパッケージが出るだけでも御の字かもしれないと指摘する。「Windows 8という名前の製品が表に出なくても驚かない」と同氏は言う。

 Googleが提供しているWebベースのChrome OSは、Windows 8が登場するころまでには今以上の勢力になっているだろう。Yarmis氏は、Microsoftが同様のインターネットベースの技術への注力を推し進めていくと見ている。

 同氏は次のように指摘している。「新たに現代的な作りのオペレーティングシステムをゼロから作るとしたら、おそらくWindowsのようなアーキテクチャとは似ても似つかないものになるだろう。さまざまなデバイスのフォームファクタをサポートしたいだろうし、初めからネット重視のOSにしたいと考えるはずだ」(Yarmis氏)

 「Windows 8登場の時期を今から2年以上後と考えると、現行版と同じレベルの展開性を備えた、ネット重視のクライアントサイド・プラットフォームで出す方がずっといい。従って、Windows 8はどう少なく見積もってもネット重視の方向性を帯びたものになるとわたしは考えている」

 同じように、QuocircaのLongbottom氏も、Windows 8ではMicrosoftは今まで以上にクライアントオペレーティングシステムの価値を示す必要に迫られると見ている。「Microsoftは、Windowsベースのユーザー体験を競合製品以上の水準にしたうえで、何らかの形でクライアントOSをクラウドに結びつけなければならない」と同氏は指摘している。

 また、MicrosoftはクラウドプラットフォームであるAzure関連の開発成果をデスクトップ環境に取り入れようとしていると同氏は付け加えた。

 そして、一部ではすでにデスクトップOSの概念そのものがピークを過ぎたのかもしれない。

 Yarmis氏は次のように語っている。「要するに、私自身はWindows 7には特に大きな関心を持てないし、Windows 8となればなおさらだ。これはある意味で、デスクトップ重視のオペレーティングシステムが末期的状況に来ているということだ」(Yarmis氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

  • コメント(3件)
#1 anonymous   2009-11-24 13:06:13
 オンライン上に置きたくないデータはあるし、デスクトップ上でしか使いたくないアプリケーションも多い。ネットにつながらなくてもオフラインでも使えるサービスは常に必要。また新しくソフトを揃えるのは大変だ。

 グーグルは自社のサービスの押し売りが目的で無償のOSを提供するわけでユーザーのニーズをないがしろにしている。無論、マイクロソフトの独占的営業を打破するという点では評価する。
#2 anonymous   2009-11-24 17:21:01
vistaでもwin7でも特に欲しいと思った機能はない。
マイクロソフトには優秀な技術者も多いと思うが、win8では企業も、個人も
欲しくなるような機能追加を望む。(win3.1、win95の時のような)
それがないと費用をかけてまで新OSを求める必要は今の私にはない。
(マイクロソフトの業績のためだけに出してる感あり)
なんかコンピューター業界ってここ5~6年斜陽と感じるのは私だけ?
#3 通りすがり   2011-05-21 17:39:57
別にこの業界が斜陽なのではなく、他の企業が進歩についてこれてないだけな気もする。
まあ、ある意味成熟して一旦落ち着いた感はある。
…と、何年前の記事にコメントしてんだか(笑
  • 新着記事
  • 特集
  • ブログ
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]