Windows 7発売迫る!--OSアップグレードにまつわる3つの「べからず」神話を考察しよう

Shannon Kalvar 翻訳校正:石橋啓一郎
2009-09-18 08:00:00
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 OSとしての評価は高いにもかかわらず、多くの組織やCIOはWindows 7の大規模展開に抵抗を示している。Windows 7へのアップグレードを思いとどまらせているのは、従来からある考え方の焼き直し的な概念だ。彼らは、数十年間にもわたるOS展開の経験から、その重みを知り、知見を得て、それを根拠にしてアップグレードを躊躇しているのだ。その知見の中には、当然、失敗に終わったいくつものプロジェクトから集められた恐ろしい経験談もある。

 OSアップグレードとなると、IT業界は以下に示す神話的教訓に従順になる。

  • 神話1:最初のパッチやサービスパックが出るまでは、ソフトウェア、特にOSの展開は決して行うべからず
  • 神話2:既存のハードウェアに新しいOSを載せるべからず
  • 神話3:景気の最悪期に大規模なプロジェクトや事業上の価値の低いプロジェクトにかかわるべからず
  •  これら3つの「べからず」は、どれもプロジェクトをプロトタイプ段階に進めることを難しくするものだし、ましてや実際のパイロットや製品展開の段階に進めることは論外のように思わせるものだ。これらはみな、その文脈に限って言えば絶対的に正しいことばかりだ。また、どの神話も、ある意味において自己限定的なものでもある。

    神話1:最初のパッチやサービスパックが出るまでは、展開は決して行うべからず

     1つめは最も古くから伝わるもので、最初のパッチが出るまではソフトウェアはどれも未完成だという内容だ。これは、ユーザーの数は多く、開発者の数は限られているということを意味している。開発への取り組みの程度に関係なく、どんなソフトウェア企業であっても、数万もの顧客が1〜2か月間ソフトウェアを使う間に発揮する問題発見力に匹敵する対処を、事前に完璧にやりきることはできない。この教訓は、初期段階で発見された問題への対処をソフトウェア開発元が終わらせれば、ユーザー企業がその製品を「毒味」してもさしさわりないということを伝えている。

     これはまったくもって正しいが、前提としてIT部門の役割を非常に消極的なものとみている。IT部門は自身の問題を解決できず、回避策を練ることもできない、可能な限り最小限のコストで解決策を作りあげる能力もない存在だと言われているも同然だ。そんな努力はせずに、ベンダーが助けにくるのを待つしかない存在だと仮定されている。このやり方は、時間と資金の潤沢な企業であれば問題はないかも知れないが、今日のわれわれIT部門は、組織からもっと多くのことを求められている。

    神話2:既存のハードウェアに新しいOSを載せるべからず

     ご存じのとおり、オペレーティングシステムのデバッグは難しい。ことにIT業界がここ10年ほどで考えついたハードウェアコンポーネント構成の組み合わせをすべてサポートするという複雑な作業ともなると、困難を極める。新しいOSを古いハードウェアに展開するのは、自分から厄介の種をもらいに行くようなものだ。たまたまうまくいくことはあるし、旧OSよりもうまく進む場合もまれにある。しかし、経験が語るのは、トラブルは最悪のタイミングで悪化する傾向にあるという教訓で、往々にして、現今の厳しい事業環境を乗り切るべく出資金をとりつけるための会議に出ようとしているCEOのマシンが不調になったりするものだ。

     確かに、新しいソフトウェアを旧来のハードウェアに展開する作業は技術的困難を伴う。しかし、失敗の原因は、多くの場合ソフトウェアではないところにある。失敗の原因はIT部門の受け身の姿勢にあり、a)展開の過程でどんなことが起こりうるか十分な予想を立てていない、b)異常を検出する方法を考えていない、c)異常事態に速やかに対処する手順を確立していない、d)問題の解決策から得られた知識を部門内で共有する取り組みについていっていない、といった問題点がある。

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