
話題のモバイル用Linux、Moblin v2.0βをネットブックで試す
もう1つの目玉「Clutterグラフィックス技術」
Moblin 2.0のもう1つの目玉が、「Clutter」グラフィックス技術を利用したデスクトップだ。Clutterは、Intelが2008年9月に買収したOpenhandの技術であり、OpenGLおよびOpenGL ESをバックエンドとしながら3Dや物理機能を提供し、これを利用することで容易にリッチな外観や高速なアニメーション処理を実現する。Gnome関連ライブラリとの親和性も高く、PerlやRuby、Pythonなどのスクリプト言語に対応するバインディングも装備されている。
Moblinのデスクトップは、大きく分けると「m_zone」と呼ばれるホーム画面、画面上部に現れる黒のツールバー、そしてツールバーから呼び出される各種「パネル」で構成される。
起動後、最初に現れるm_zoneは3列で構成され、左に予定とタスク、中央にブラウザ履歴と直近に閲覧したメディア、右にSNS(TwitterとLast.fm)の状況が表示される。
しかし、初期状態ではなにも設定されていないため少々寂しい状況だ。まずはインターネットに接続するため、ネットワークの設定を始めてみた。ポインタをツールバーのアイコンに合わせると、そのパネルの説明がポップアップ表示されるが、まずは右端の「networks」アイコンをクリックしてネットワークパネルを呼び出す。
Moblinではネットワーク管理に、多くのディストリビューションに含まれる「Network Manager」ではなく、スクラッチから書き起こされたという「ConnMan」を使用している。ConnManの利点としては、プラグインアーキテクチャにより拡張が容易なこと、必要なプラグインしか読み込まないためリソース消費が少ないこと、依存関係を最小限に抑えているため組み込み用途に適していることが挙げられる。
左側に検出された無線LANネットワーク、右側に「WiFi」「Wired」「3G」「WiMAX」とインターフェースのオン/オフスイッチが並ぶ(WiMAXがあるあたりは、WiMAXを推進するIntelの関与がうかがえて興味深い)。自宅のSSIDも無事検出されていたので、「Connect」をクリックしてパスフレーズを入力すると簡単に接続できた。ネット接続に成功したところでmzoneに戻り、右のアイコンをクリックしてTwitterを設定。これを終えてmzoneに戻れば、しっかり右側がアップデートされている。
インストール作業の仕上げにアップデートの確認をする。パネルの「applications」を選択し、下の方の「settings」を展開すると、「Update Your Computer」とあるのでこれをクリック。早速ひとつアップデートがあるとのことなので、「Update System」を選択した。終わると再起動を促されることもなく、完了したとだけメッセージが表示されたが、シャットダウンの速度を観察するため、ここでシステムを終了することにした。
その方法だが、パワーボタンを押すだけという単純なもの。ボタンを押すと即座にCUIへと移り、完全に電源が切れるまでの時間はわずか10秒弱。ブートと同様に速く、これならこまめにオン/オフすることも気にならないレベルだろう。
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