グーグルとマイクロソフト--過去10年の対比、そして今後の展望

文:Jason Hiner(TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2008-09-29 08:00:00
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 しかし2008年に入り、Googleのソフトウェア開発者が、より優れた製品を作りたいという理由や、Googleにおける組織体制の欠如や品質管理に対する熱意のなさを理由に同社を退社する事例が表面化してきている。そのうえ、GoogleとMicrosoftの双方から採用通知を受け取ったソフトウェア技術者がMicrosoftを選択する(ワォ!)という事例さえ出てきているのだ。

 Googleの待遇(食事や交通手段の無料提供、そしてクリーニングサービスまである)は以前から、大学を出たばかりの学生たちにとっては大きな魅力となっている。そして、Googleは過去10年間、こういった学生たちを新卒レベルの給与で数多く雇用してきているのだ。問題は、彼らの中の意欲的な者たちが成長し、Googleの優れた待遇だけでは満足できなくなった時、優れた製品を生み出し、ユーザーにとって価値のある息の長いプログラムを開発し、その成果を認めてもらって相応の報酬を手にしたいと最終的に思うようになるということにある。そして彼らの中には、Googleではそういったことは無理だと判断する者もいるということが明らかになってきている。

 ここでMicrosoftに何の問題もないなどと言うつもりはない。ソフトウェアの品質について言えば、Microsoftの評判は必ずしも高いとは言えない。事実、Bill Gates氏が先駆者となった大きな「イノベーション」の1つとして、完璧を目指すのではなく、十分に使えるソフトウェアをリリースするという考え方があるのだ。そしてある意味において、Googleの永久にベータ版というアプローチは、そういった考え方の亜流でしかない。

 しかしMicrosoftという会社は、Googleとはほぼ正反対とも言える、高度に発達し、組織化された内部組織を有している。そしてMicrosoftは製品サイクルを守ることで、ソフトウェアをベータから製品版へと昇格させて市場に送り出し、その品質に責任を持つ術を心得ている。同社が、ウェブアプリケーションに全力を尽くすと決めたのであれば、それに対しても同様のプロセスを適用するはずだ。

 インターネットアプリケーションが主流になってくると数々の変化が起こることになるとはいえ、永久にベータ版というアプローチが、製品を完成させて市場に送り出すという従来のソフトウェアサイクルに取って替わることはあり得ないのだ。そして、そういった時代が来るはずだという欺瞞的な態度は、ユーザーとソフトウェア開発者の双方に不満を抱かせているのである。

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