「アップルのように」--アップルを追うマイクロソフトとUbuntu

文:Adrian Kingsley-Hughes 翻訳校正:石橋啓一郎
2008-08-01 08:00:00
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 もし模倣が最大の賛辞であるとすれば、AppleはCanonical(Ubuntuを手がけている企業)とMicrosoftの両方がAppleのようになりたいという願望を示していることを光栄に思うべきだろう。

 Canonicalの願望は、Ubuntuをもっと「かわいい」OSにしたいというものだ。以下に、Canonicalの創立者であるMark Shuttleworth氏のeWeekに対する発言を引用する。

 われわれの次の2年間の大きな仕事は、Linuxのデスクトップの使い勝手を、安定していて堅牢だがあまりかわいくない、というものからちょっとした芸術にまで引き上げることだ。Appleを真似るだけではなく、Appleを超えることはできないだろうか。

 一方で、MicrosoftはAppleが顧客に提供しているエンドツーエンドの利用体験をうらやましく思っているようだ(最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏の2009事業年度の優先順位についての発言から引用)。

 PCとMacの競争では、わが社は30対1でMacよりも多くを販売している。しかし、Appleが繁栄しているのは明らかだ。なぜだろうか。これは、彼らが提供する利用体験は狭いが完全であるのに対し、わが社が選択の幅の追求は、しばしばエンドツーエンドの体験を損なっているためだ。現在、絶対に間違いのない完全な体験を確実に提供できるよう、わが社はハードウェアベンダーとの協調体制を変更しつつある。今後わが社は同じことを携帯電話に対しても行い、素晴らしいエンドツーエンドの体験を作り上げつつ、選択の幅も提供する。

 私はこれまでかなりの間、少なくともUbuntuに関しては、本当の競争相手はMicrosoftではなくAppleだと言ってきた。これは、AppleがMax OS Xの曳き網を完成させており、すこし他のOSを使ってみたいと思うWindowsユーザーを捕まえるのに、これが非常に有効に働いているように見えるためだ。また、Microsoftもようやく目を覚まし、Mac OSがユーザーを捉えていることを認識し、少なくとも浸食や市場シェアの低下を防ぐための動きに真剣に取り組む必要があることを認めたように見える。

 しかし・・・読者は次に「しかし」が来るのを分かっていたことと思う。私の心配はこうだ。Appleがこのように成功している理由を知ることは非常に難しく、この「Appleのようになりたい」という話は、大きな失敗に終わる可能性がある。一部の人にとってのAppleの魅力はMicrosoftではないということであり、つまりMicrosoftは始めから難しい立ち位置にいることになる。Appleの魅力のその側面を無視したとしても、Appleが今のような元気のある企業になった理由を引き出すことは非常に難しいことだ。

 また、Appleは他の企業と同じように失敗をすることも多く、CanonicalやMicrosoftが真似ることを避けたいような側面も持っている。

 私の心配は、一連の「Appleのように」という発言は、 先端技術産業の多くの企業が向こう数年間をAppleの魔法の薬の秘密を見つけるべく、Appleが行っていることをコピーしようと下手な試みを繰り返してすことにつながる可能性があるのではないかということだ。そんなことが起こってはならない。考え直すべきだ。それは、iPhoneが携帯電話産業で引き起こしたことと同じだ。iPhoneクローンの失敗から学ばなくてはならない。

 私がMicrosoftとCanonical(そしてその他の向上を目指す先端技術企業)に望むことは、顧客志向になり、もう少し顧客の声を聞き、そのフィードバックに基づいて行動することだ。ひょっとすると、それらの企業がAppleのようになるのに必要なのは、それだけのことかも知れない。

 読者の考えはどうだろうか。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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