
読者が使ったことのないであろうOSベスト5
デスクトップ用オペレーティングシステムともなると、選択の幅はかなり狭い。Windowsを動かすか、なんらかのUNIX的なOSを使うかだ。Linuxには1万2000もの異なるディストリビューションが存在する。また、フィンランド風味ではないUNIXがが好みなら、FreeBSDを使うのもいいだろう。ベンダに頼って、AIXかHP-UXを使ってもいい。SunはSolarisを持っており、忘れたくても忘れられないSCOもある。そしてもちろん、Mac OS Xがある。こう聞くと非常に多様なOSがあるようだが、結局これはWindows対UNIXの構図だ。他にも選択肢がある。いや、少なくとも以前はあった。ここでは、おそらく読者が使ったことのないオペレーティングシステムのベスト5を挙げる。
OS/2
Microsoftの対抗馬となり得るOSを挙げるとすれば、OS/2を挙げないわけにはいかない。MicrosoftがWindows 2000 Professionalを出荷する以前であれば、私はデスクトップのOSにおそらくOS/2 4.0を選ぶだろう。ここではOS/2 2.0以降を参照することとし、IBMとMicrosoftが共同で開発していた不運なOS/2 1.xシリーズは除くものとする。
IBMはOS/2を「DOSよりもよいDOS」そして「WindowsよりもよいWindows」であると宣伝していた。OS/2を使ったことのある人は、IBMが大部分においてこれに成功していたことを知っている。技術的な観点から言えば、OS/2はDOSやWindows 3.xよりも、そしてWindows 9xよりも確かなものだった。
OS/2には、今日のOSでは標準装備と考えられるようになっている、多くのイノベーションがあった。OS/2は最初の主要な32ビット用オペレーティングシステムだった。また、OS/2は完全にマルチスレッド化されていた。このOSのHPFSファイルシステムは、フラグテメンテーションに強く、最初から長いファイル名をサポートしていた。OS/2はウェブブラウザを統合した最初の主要なOSだった。また、音声制御を提供した最初のOSでもある。
OS/2が失敗に終わった理由は多くある。Windows 95が登場し、OS/2の方が安定していたにもかかわらず、Win32 APIを使ったプログラムを実行できなかったことが運の尽きだった。Windows 95はDOSやWindows 3.1のプログラムを非常にうまく実行できたため、独立ソフトウェアベンダはOS/2専用のプログラムを作るインセンティブを持たなかった。MicrosoftのOEMに関するライセンスが、IBM自体を含むハードウェアベンダーにOS/2をバンドルする気をなくさせた。IBMがOS/2を売り込めなかったことも響いた。
OS/2の最後のバージョンの出荷は1996年だったにも関わらず、IBMは2006年12月31日までOS/2のサポートを続けた。多くのOS/2支持者は、IBMにオープンソース開発のためにOS/2のソースコードを解放させようとしたが、IBMは拒否した。おそらくこれは、IBMが独占権を持つMicrosoftのコードがOS/2の中に一部存在するためだと考えられる。ただし同時に、IBMはOS/2のライセンスをSerenity Systemsに与え、同社はeComStationと呼ばれる製品の中でOS/2のサポート、アップグレード、拡張を続けている。以下に、私のテスト環境でのeCSのスクリーンショットを示す。

最後にOS/2のトリビアを1つ。MicrosoftはOS/2 1.xをIBMと共同開発した。IBMとMicrosoftは80年代の終わりに「離婚」し、MicrosoftはIBM/Microsoftの製品計画表ではOS/2 3.0になるはずだったものの自社のコードを持ち帰り、Windows NT 3.1を作り、それが今のWindows VistaおよびWindows Server 2008の糧になっている。
すべてのOS/2ユーザーのお気に入りの引用文は、もちろん次のBill Gates氏の言葉だ。「われわれは、OS/2が90年代のプラットフォームだと信じている」
- コメント(6件)
どれだけ負荷を掛けても墜ちないので,銀行で採用されていたり,長野オリンピックのシステムに使われていたりしてましたね。
良いOSでしたが,Microsoftのアコギなやり方に殺られてしまいました・・・
また現在でもOS/2を使っている多くの人はWARP4.52(MCP2=Marlin Convenience Package2)にしていると思います。確かにパッケージ販売はWARP4でしたが、IBMはサポートライセンスを購入したユーザーに対し、WARP SERVER4.5をベースとしたコンシューマー型のOS/2をリリースしました。自分も今現在も使用しております。またMCP2もWindowsと同じく大規模Fixをリリースしており、2006年まで時勢に合わせて改変を進めてました。
serenity systemsがIBMからOEMされ、更なる改変を含めたeComStationを御紹介されていますが、MCP1(2000年発売)をベースとしたver1.0から現在MCP2をベースとする1.x~2.0を販売しています。残念ながら日本語を含むDBCS版はserenityでも開発が試行錯誤状態の様子で、まだ日本語版その物が販売されていませんが。
ともあれ、IBMから手が離れたとはいえOS/2はまだ終わっておりません。
NeXTコンピュータの創業者でもあり、Apple共同創業者でもあるApple会長のSteve Jobs氏の死去が、米国時間10月5日のAppleによる発表で伝えられたが、まだ56歳だった。
本当に、ディスプレイ画質までうるさくこだわっていたJobs氏に献杯します。
OS/2がコケるとは微塵も思いませんでした。
DOS窓でWindows3.1がいくつも立ち上がってたのに。
当時はthunkコードを考慮して色々書いてましたが、今は昔ですね。
OS/2使いで有名なTPまにあさん同様、私もOS/2 MCP4.52+fix4で絶賛稼働してますが、OS/2の安定感はホント当時DOSやWin3.1,9xを使ってる時代では抜群でした。
LFNにも対応しブートローダーも使えて共存もできるし本当に良いOSだとおもいます。
今でもfirefoxも対応してますし、普通にmp4動画再生までできるOS/2。Win3.1環境のネットワークドライブを簡単に扱うことができるなど離れ業ができるのも良いところでした。
アプリやflash、あげくに売りだったJavaまでWindowsに先を行かれるのではそら勝てませんよね。でもOS/2もIBMが粘り強くサポートしてましたので、ecomstationまでつながっていると思います。
BeOSは5.0proを使ってましたが本当に直感的な操作ができる良いOSでしたね。Macのような操作感は非常に心地よくマルチメディアを全面的に推して市場に出てましたがまぁ当時の状況では厳しいですよね。パッケージソフトすらないんですから。
ただそのBeOSもZETAから今はHAIKUになってますので市販されたら絶対買います。
あとBTRONこと超漢字を取り上げてないのは残念ですね。ありとあらゆる文字が使えるということが最大の売りでしたし、実身、仮身という概念などおもしろくもありましたが、ネットワークが貧弱すぎてたのが残念でしたがあれはあれでありだと思います。
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なつかしいOSが5つ紹介競れましたが、米国の圧力に屈した悲運のOS、BTRONに関しては、ご存じなかったのか、ちょっと残念。
参考:ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=BTRON&oldid=18377346