MBAかぶれをブッ飛ばせ!:エリック松永の次世代エンジニア道場

エリック松永
2009-03-11 17:32:01
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Googleの成功から学べること

 クラウド時代の成功例といわれるGoogleなどの新興IT企業は、技術力の高さから「テクノロジー」という視点で注目されがちです。しかし、見落としてはいけないことがふたつあります。

 ひとつは、実際にコードを書くエンジニア自身が企画したサービスが市場に投入されること。もうひとつが、顧客(エンドユーザー)に満足度の高いサービスを提供しようとするモチベーションの高さです。

 企業内に流れるのはあくまで顧客第一主義という信念であり、その強い信念が新しいサービスを生み出します。そして、サービスを支えるために磨き上げられた技術が、新しい技術を生み出していくのです。

 つまり、こうした環境を生み出すには、MBAかぶれを打ち負かすような新しいサービスを、エンジニアが主体となって創造しなければならないのです。

クラウド時代のエンジニアのあるべき姿

 さて、エンジニアはクラウド時代にどんなスキルを要求されるのでしょうか。

 ひとつはもちろん、確かな技術力です。技術力はエンジニアのエンジンにあたります。それぞれの専門、得意な領域を徹底的に強化することが重要です。そして、クラウド時代のエンジニアには、顧客が求めるものをひねり出す「助けとなる」ようなマーケティングの知識、そのサービスを実行するために考えなければいけない経営的な数字の知識も必要になります。

 これらのスキルは、エンジニアがかつて持っていた領域を遙かに超えて仕事をするために必要なのです。Googleのように仕事をする、とも言い換えられるでしょう。

 ここで理解していただきたいのは、経営やマーケティングの知識をきちんと理解し、自分のツールとして活用することができれば、強大な武器になるということです。

エリック松永著「クラウドコンピューティングの幻想」(技術評論社)は3月23日発売予定 エリック松永著『クラウドコンピューティングの幻想』(技術評論社)は3月23日発売予定

 MBAかぶれでフレームワークを振り回したり、にわか知識をひけらかされても、何の役にも立ちません。しかし、経営の視点やマーケティングの視点を持つこと、企業や顧客をより深く理解することによって、現場のエンジニアならではの新しい発想が出てくる可能があるのです。

 だからこそ、経営やマーケティングの知識を包括したMBAの知識を、自分のツールのひとつとして取り込むことが、エンジニアにとって大きな差別化要因となるでしょう。

 そして最後に一番重要なこと。それは、より高い貢献をすることによって得られる高いモチベーションです。このモチベーションこそが、エンジニアが本来持っている、さらなる技術習得というモチベーションへと繋がるのではないでしょうか。

 現在、IT業界ではさまざまなバズワードが話題になっている一方、地に足をしっかりつけた「ものづくり」がおろそかにされているように思います。つまり、企業や顧客にこだわり、彼らの問題や課題を知り尽くし、企業価値を向上するために最大限の価値を提供することにこだわるエンジニア――そんな存在こそ、エンジニアのあるべき姿だと考えているのは、私だけでしょうか?

 次回からの次世代エンジニア道場では、経営やマーケティングの考え方の「ツボ」を伝授します。この考え方を理解することによって、自分自身のエンジニアリングの幅を大きく広げることが可能になります。そして次世代を担う新しいエンジニアとして、クラウド時代をリードしていきましょう!

Peace out,
Eric

Eric
筆者紹介

エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]