MBAかぶれをブッ飛ばせ!:エリック松永の次世代エンジニア道場

エリック松永
2009-03-11 17:32:01
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価値を高めること

 今回の金融危機で見失われていた一番重要なものは何でしょうか?そう、企業の価値を享受する顧客の存在です。企業は「顧客の満足」という基本的な目標を見失い、虚像の数字の上でふわふわバランスを取るような状況に陥っていたのです。

 金融危機の前後で、大きなお金があっちこっち飛び回っていたものの、実際に企業の事業はどう変わったのでしょうか?金融危機の結果、企業は人員削減、事業の撤退などでさらに企業価値を落としています。そして、これらは株価を上げるための施策に他なりません。

 しかし、企業の価値は金融商品と異なり、数字の操作だけで利益を出し続けることができないのです。企業は資本として株価を維持するのと同時に、企業の価値を最大化することを忘れてはいけません。そのためには株主ばかりに目をむけるのではなく、企業の価値に対して対価を支払う「顧客の満足」という基本的な目標を忘れてはいけないのです。

 今、企業に必要なのは、顧客の満足を獲得するために企業価値を高めることです。そして、顧客の満足度を最大化するためには、企業のために真剣に汗を流して一緒に改革していくパートナーが必要なのです。そう、そこに評論家はいらないのです。

 パートナー側も同じです。単独でパートナーになることにこだわるのではなく、企業に価値を与えるフォーメーションにしなくてはいけません。例えば、全体の戦略を考え、設計図を描く我々コンサルタントと、実行するための基盤を作り上げるエンジニアは積極的に会話し、相乗効果をあげることも選択肢のひとつになると思っています。

 しかし、実態はコラボレーションするようなシーンをなかなか創造しにくいのも事実です。その理由は、

  1. ビジネスコンサルタントはITの理解に乏しい
  2. エンジニアは経営者やマーケティング担当者のように考えられない

 この2点に尽きると思います。

 悲しいことにビジネスコンサルタントはITと経営を分けて考える傾向があります。戦略系コンサルタントとIT系コンサルタントの間に大きな溝があるのも現実です。しかし、経営とITは本来、同じ土俵で検討すべき課題です。IT抜きで経営戦略を考えるのでは、絵に描いた餅になってしまいます。

 また、エンジニアは、設計された仕様書にしたがって仕様通りのシステムを構築することに重きを置きがち。現場での経験を活用して仕様書を超えた顧客のニーズや、改善可能なアイデアを企画するようなことをしない、そして残念なことに求められない傾向があります。経営やマーケティングの話は、別世界のことと思ってしまっている方も多いのではないでしょうか?

 このような状況だからこそ、我々のパートナーである企業に最大限の価値を提供するため、私自身ビジネスコンサルタントとして積極的にITの世界に足を突っ込んでいきたいと考えています。それと同時に、優秀なエンジニアの方々に経営やマーケティング的な発想を身につけてもらい、仕様を超えたアイデアを展開していただきたいとも考えています。

 ITの中枢にいる優秀なエンジニアの方々に、経営的な発想を理解するお手伝いをして、コラボレーションすることによって新しいシナジーをだしていきたい。そして、その交流の過程で、顧客への価値を最大化するような新たな試みができるのではないか――私はそう考えているのです。

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