現時点での「日本語向けEPUB進捗状況」をまとめる

海上忍
2010-11-17 12:10:19
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 まず、EPUBの標準化を推進するIDPFの動向について。IDPFでは、EPUB次期バージョンの策定に当たりワーキンググループを設けていますが、アジア諸語など欧米言語以外は特に「Enhanced Global Language Support sub-group(EGLS)」という分科会で議論を重ねています。EPUBの縦書き対応も、基本的にEGLSの所管事項として話が進められています。縦書きだけでなく、ルビや禁則処理についても話し合われていますが、ここではEPUB日本語対応の象徴として縦書きに絞り話を進めます。

 EGLSの会合は、第1回が8月に札幌で、第2回が10月に台北で開催されました。その前にCSS 3のワーキンググループ(こちらはW3C所管)に対し日本人メンバー主導で進めた縦書き提案は、残念ながら不採用となったため、今度はIDPF/EGLSの立場から縦書き案を働きかけようということが骨子です。

 かくして完成した草案が「CSS Writing Modes Module Level 3」です。縦書きを実現する方法として、そこでは以下に示す2つのライティング・モードが定義されています。

  • vertical-rl(縦書き、文章は右から左へ)
  • vertical-lr(縦書き、文章は左から右へ)

 この草案は、11月初旬に仏リオンで開催されたW3C総会「TPAC 2010」のCSS WG会議において審議されました。残念ながら、論理プロパティ案(村上真雄氏のブログで簡潔に説明されています)は継続審議扱いとなり、2011年5月に勧告予定のEPUB 3.0にはWriting Modesのサポートのみ盛り込まれる見込み――縦書きサポートは確定だが論理プロパティによる柔軟な運用は先となる――ですが、CSS WGにおいて草案の公開までたどり着いた状況を見ると、大きな前進といえるでしょう。

 なお、禁則処理と傍点については、別の草案(W3C Working Draft 5 October 2010)が用意されています。

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