Baker Ebook FrameworkでiOSアプリ型電子ブックを作成する

海上忍
2010-11-04 11:55:18
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「アプリ」という現実解

 この連載がスタートしてから、早くも8カ月が経過しました。

 EPUBをはじめとしたさまざまなフォーマットを調べ、多くの先駆者たちに話を聞き、関連ソフトウェアの検証も含めて「電子書籍を出す」ための作業を続けてきましたが、これだ、という決定打は見当たりません。

 それに、電子書籍を「つくる」ことは容易であっても、商業ベースに乗せることは話が別です。そんなこんなで逡巡しているうちにはや8カ月、これが本音です。

 一方、世間を見渡してみると、広義の「電子ブック」にはヒット作が出始めています。海外では「WIRED」の好調が伝えられていますし、日本でもダイヤモンド社の「もしドラ」などDReaderベースのタイトルが30万ダウンロードを突破しました。日本の電子ブック市場は、フィーチャーフォン向けの電子コミックが大半を占めますが、書籍や雑誌の電子版も伸びていることは確かです。

 そこで今さらながら感じたのが、「App Store」の強さ。前掲した3タイトルは、いずれもApp Storeが一手に扱うiOSアプリですし、ビューアソフトを内包することにより独立して動作します。電子ブックのフォーマット定義やリーダーソフトの実装も重要ですが、読者が受け入れるのならば段取りが整うまで待つ必要はない、とも言えます。課金システムなど環境が整備されたApp Storeでの販売は、ある意味で現実解なのかもしれません。

 そんなことを考えていたとき現れたのが「Baker Ebook Framework」。コンテンツをHTMLの形で用意し、Xcode(Mac OS Xの開発環境)でコンパイルするだけで、iOSアプリの体裁を持つ電子ブックを作成できてしまうのです。しかも、ロイヤリティーフリーなうえにフレームワークはBSDライセンス適用ですから、App Storeで販売するにあたっての障害はありません。

 というわけで、早速試してみました。

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