
EPUBでの画像表示--「リフロー」と「連続図版」の相性を考える
連続する図版をどう見せるか
私は現在でこそウェブ媒体を中心に活動していますが、5年ほど前までは書き下ろしの書籍がメインでした。ジャンルはもちろんコンピューター系、Mac OS XやLinuxなどOSの入門書や使いこなし術、デジタル家電の本など、単独執筆した本は30冊近くになります。
共著という形で、LaTeXの本も手がけたことがあります。LaTeXの本はLaTeXで組版することが暗黙の了解(DTPソフトで組めば物笑いのタネ)ですから、私も約8割の担当パートは自作マクロを使いつつLaTeXでライティングしたものです。TeX/LaTeXは“紙ベースのリフロー”とでもいうべき組版上の特色を備えていることが、EPUBに興味を覚えたひとつの理由です。
それにしても、EPUBは紙と勝手が異なります。テキストがほとんどの小説はともかく、私が関与しているコンピュータ書籍の分野は図版の点数が多く、しかも操作手順に応じて並べなければならないことがあるため、図版のレイアウトを厳しく指定できないリフローが原則のEPUBでは、処理に困ってしまいます。
たとえば、「できる○○」や「図解△△」といったいわゆる図解本をEPUBで再現しようとしたら……適当な方法が思い浮かびません。電子書籍というくくりでいえばPDFという選択肢もあるでしょうが、リフローにより図版の見え方が変わるEPUBの場合、紙のレイアウトそのままを再現することは困難です。
しかし、紙には紙なりの、EPUBにはEPUBなりの“見せ方”があるという前提に立つとしたら、話は変わってきます。私が注目したのは、EPUB 2.0でimg要素に使用可能となっている「GIF」です。
ヒントになったのは、ダイヤモンド社からiOSアプリとして販売されている「ピクト図解」です。ピクト図解に内包されている電子書籍リーダー「DReader」は、画面をタップすると図版をパラパラマンガのように連続表示できるのです。これをGIFアニメーションで再現すれば、タップに応じてイメージを切り替えることはできないまでも、リフローによるレイアウトの変化を図版1点分のスペースに抑え、かつ動画の埋め込みより圧倒的にファイルサイズを少なく保ちつつ、操作手順を追う形で図版を見せることができそうです。

アニメーションGIFは図版の差し替えで
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