ガラケーを“EPUBビューア”にする「Wave Text Viewer」

海上忍
2010-10-14 11:58:15
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--携帯電話ならではの制約はありますか?

馬場:利用できるデータ量に上限があるのですよ。ドコモ端末の場合、アプリのファイルサイズを含めて1Mバイト、最近のStarプロファイル準拠のものは2Mバイトまででして。その他のローカル領域に保存することは、画像であれば可能ですが、EPUBコンテンツはできませんから。実質、自由に使えるのは800KB程度となります。SDカード対応機であれば、そこへEPUBコンテンツをアプリが保存する、ということは可能です。

 理由はメモリの制限だけではありませんが、オーディオやビデオの埋め込みにも対応していません。キャリアによるフォーマットの制約があるためです。現行バージョンでは、SVGの描画も未対応ですが、将来的には部分サポートする予定です。

 ルビについては……悩ましいところですが、携帯電話は画面サイズが小さいですからね。ルビ領域を考慮してしまうと、一画面に表示できる行数が大きく減ってしまうのです。設定画面で「ルビ表示する」を選択すると、ルビはカッコ内に表示されるようにはなりますが。同じ理由で、表(テーブルタグ)もサポートしていません。

--今後どのような形でビューアとEPUBコンテンツを配信する予定ですか?

馬場:ひとつは、EPUBコンテンツとワンセットの独立したアプリとして配信する「同梱モデル」ですね。これは、iPhoneアプリを連想していただければいいかと。もうひとつは、弊社が近々開設する一般サイトにEPUBコンテンツを用意し、ダウンロードしてもらう方式です。ダウンロードが終了するとアプリが起動し、EPUBコンテンツのパーシングが始まるという。機種やキャリアの方針により異なりますが、メモリカードに保存されたEPUBコンテンツを読み込むことも可能です。

--なるほど。市場規模や販売効率を考えると、企業向けの同梱モデルがメインになりそうですね。

馬場:キャリアや出版社には、すでに採用しているフォーマットがあるなどの理由で、これをEPUBに変えるというのは至難の業かな、と考えています。EPUBは個人ユーザーでも作成しやすいですから、ビューアだけを提供し、コンテンツは自前で作成するなり、よそからダウンロードするなりすればいいとも思います。たとえば、ソフトバンク版はSDカード経由でEPUBコンテンツを読み込めますから、PCでSDカード上に書棚(EPUB書庫)を作成することもできますしね。ドコモ版は、SD-Bindingの制約があり、SDカード上に保存するコンテンツは必ずサーバを経由しなければならないので、そのような使い方はできませんが。

原:コンテンツホルダーでしたら、自前のサーバ上でEPUBコンテンツを配信することもアリでしょう。11月からドコモマーケットが始まりますから、そちらに期待、ということもあります。

--Wave Text Viewerの開発を巡り、なにか思いはありますか?

馬場:ここ数年、世間が過度にスマートフォン側へと振れているような気がするのですよ。CPUなどハードウェアのスペックだけを見ると、日本の携帯電話は大きく見劣りしていないはずですし。そこで、携帯電話向けのUIフレームワークを作ろう、と思い立ちまして……Wave Text Viewerの「ページめくり」もその成果です。当初は、メールソフトに活用できないかと考えていたのですが。Wave Text Viewerの開発は2010年に入ってからですが、6月にドコモマーケットオープンの報道がありまして、状況は変わりつつあるかな、と。公式コンテンツの敷居はとても高いですからね。スマートフォン側に振れたのは、コストを回収しやすいという側面もあると思います。

Wave Text Viewer 携帯電話向けEPUBビューア「Wave Text Viewer」を見て、触れてきました※クリックすると拡大画像が見られます
表示方向は縦/横で切り替え可能 表示方向は縦/横で切り替え可能です※クリックすると拡大画像が見られます
docomo P705iu docomo P705iuでもしっかり動作していました※クリックすると拡大画像が見られます
Wave Makers 合同会社Wave-Makers代表社員の馬場雄二氏(左)とプログラマの原健太郎氏(右)
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