ワープロソフト「Pages」のエクスポート機能に見るEPUBの「脚注」

海上忍
2010-09-06 17:20:10
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 前回はAppleのワープロソフト「Pages」の最新版を利用した、ビデオの埋め込みについてお伝えしました。今回は、現在のEPUBにおける「脚注」のあり方と、Pagesによる脚注の出力についてお伝えします。

「脚注」を巡る対応の違い

 文芸作品はともかく、実用書や理工系書籍においては「脚注」が多用されます。認知度が高いとはいえない語句に対し適切な注釈を加える脚注の存在は、読者の理解を助けるとともに、誤読を防ぐという効果があります。文脈において“枝葉”ともいえる情報を脚注化することにより、本文をすっきり見せるためにも役立ちます。

 その脚注ですが、現在のEPUB 2.0.1においてはいまだ標準的な仕様が確立されていません。同様に本文とは直接関係がない目次は、独立したファイル(TOC.NCX)が用意されてますが、脚注に関しては未定義です。利用できるCSSプロパティについても、表示位置として「oeb-page-foot」の定義はありますが、脚注としての処理とは無関係です。

 本文の関連する語句近くに番号を振り、その番号とともに欄外へ文章を配置する、という脚注に求められるレイアウトは、すべて手作業で行うか、そのような処理を自動的におこなう機能を備えたEPUB生成ツールを利用するしかありません。しかも脚注番号は連続していることが求められるため、文の間にただリンクを張ればすむ話ではなく、連番を自動生成する機能も求められます。

 なぜ今回は脚注の話にしたかですが、確認したいことがあって「自民党政策集J-ファイル2010(マニフェスト)for iPad」を開いたとき、専門用語の右隣に脚注があることを示す「※」があったのですね。しかし、フッター領域もなければ脚注としての文章も近くには見当たらないという状態で、調べてみれば巻末にハイパーリンクなしの文章が集められているだけ……。これでは、巻末へ飛んではみたものの本文のどこへ戻ればいいかわからない、となりかねません。政権公約をEPUBで出すという意欲的な試みも、色あせてしまいます。

EPUB版も用意するという意気込みを見せた自民党のマニフェスト EPUB版も用意するという意気込みを見せた自民党のマニフェスト、しかし脚注の扱いは……。

最新版Pagesで脚注付きのEPUBを生成する

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