Pagesアップデートで判明、Appleが取り組む「EPUBでビデオ」

海上忍
2010-08-31 08:00:00
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「HTML5を先取り」するApple

 最初に確認しておきますが、IDPFが定めるEPUBはあくまで“規格”です。規格に基づいた実際の開発工程(実装)は、ソフトベンダーやオープンソースプロジェクトが担うため、規格と実装の間には往々にして食い違いが生じます。特に「XHTML+CSS」というウェブ標準に近い表示機構を要求されるEPUBビューアの場合、すでにあるHTMLレンダリングエンジンを活用することはむしろ自然で、EPUBで規定されていない機能が搭載されていても不思議はありません。

 その実例が、AppleがiOS 4搭載機およびiPad向けに提供している電子書籍ビューア「iBooks」です。すでにブログなどを通じて報告されていますが、iBooksでは「ビデオ埋め込みのEPUB」を表示できます。その方法とは、HTML5のvideoタグを利用するというシンプルなもので、HTML5のサポートが進んでいるHTMLレンダリングエンジン「WebKit」の機能を生かしたものといえます。

 ただし、現行仕様のEPUB(v2.0.1)は、XHTML 1.1とCSS 2がベースであり、HTML5はサポートされていません。前述のvideoタグが利用できるということも、おそらくはAppleが(WebKitの)HTML5サポートを積極的に無効化しなかったに過ぎず、EPUBの規格として動画再生がサポートされたわけではありません。あくまで、iBooks限定の“先行実装”です。

 そのAppleが、オフィススイート「iWork '09」をアップデート、ワープロソフト「Pages」にEPUBエクスポート機能を追加しました。これまでiBooksがvideoタグを使えることをアピールしなかったAppleですが、今回はサポート文書で「書類内のビデオの埋め込みをサポート」と堂々とうたっています。前置きが長くなりましたが、今回はその動画埋め込み機能に絞り、PagesのEPUBエクスポート機能を検証してみます。

iPadの電子書籍ビューア「iBooks」を使い、Pagesで書き出したビデオ埋め込みのEPUBを表示した iPadの電子書籍ビューア「iBooks」を使い、Pagesで書き出したビデオ埋め込みのEPUBを表示した ※クリックすると拡大画像が見られます
タイトルや作成者などのデータを入力する程度で、Pagesの文書をEPUBとして出力できる タイトルや作成者などのデータを入力する程度で、Pagesの文書をEPUBとして出力できる

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