AppleやGoogleも標準化団体に加盟--EPUBフォーマットの最新動向をまとめる

海上忍
2010-08-27 18:49:09
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 7月から8月にかけて、取材案件が続きました。その一方、EPUBはフォーマット、プラットフォームいずれの方面にも変化がありましたので、この2カ月に起きた出来事を中心に最新動向をまとめたいと思います。

あの会社もIDPFに加盟、ビューアの開発が早まるか?

 フォーマットとしてのEPUBは、世界の出版社やITC企業を中心に構成される標準化団体「International Digital Publishing Forum」(IDPF)により規定されます。つまりEPUBの仕様に関し主張があるのならば、IDPFのメンバーとしてその決定プロセスに主体的にかかわる必要があります。

 2010年に入り、IDPFメンバー企業は急増しています。7月には、AppleとGoogleが加盟したほか、日本からは大日本印刷が加わっています。8月にはシャープの米国法人も加わりました。なお、IDPFメンバーのリストはこちらのサイトで確認できます。

 特にAppleとGoogleの加盟は、重要な意味を持ちます。どちらも自社の電子書籍プラットフォームにEPUBを採用しているとともに、ウェブブラウザの開発を進めている企業だからです。

 念のために説明しておきますと、SafariやiBooksに搭載されているHTMLレンダリングエンジン「WebKit」は、Appleを中心に開発が進められています。独自のJavaScriptエンジンが用意されるなど機能差はあるものの、Google Chromeにも同じWebKitが採用されています。EPUBにはレイアウトを決める要素としてCSSとXHTMLが採用されているため、HTMLレンダリングエンジンが大きな役割を果たすことは言うまでもないでしょう。

 これまでのIDPFには、Adobeのようにフォーマット策定に影響力を持つ企業は参加していたものの、EPUBビューアの核となるHTMLレンダリングエンジンの開発を自ら進める企業はありませんでした。7月のAppleとGoogle以前、4月にもMicrosoftがIDPFに加盟しており、仕様策定と実装の距離が縮まる、つまりIDPFでの決定事項(場合によっては草案の段階でも?)は早々にHTMLレンダリングエンジンに盛り込まれ、EPUBビューアの形で世に現れる時期が速まることが期待されます。

EPUB EGLS札幌会議終わる

 日本語を含む世界各地の言語をEPUBでサポートすべく活動を展開する、IDPFのサブグループ「Enhanced Global Language Support」(EGLS)の対面会議が、札幌で開催されました。出席者のご厚意でTwitterによる実況も行われたため(Togetterはこちら)、すでにチェックされている方もいらっしゃるかと思います。

 会議では多方面にわたる議論が行われましたが、特に注目すべきは「縦書きのサポートをEPUB次期バージョンでどうするか」という議題でしょう。少し前までは、縦書きの指定にCSS3のプロパティを利用する方法が提案されていましたが、その方針を転換し、組み方向ととじ方向の情報はOPFに含められること、縦書き文書中の横書き部分や圏点の指定にはXHTMLのクラス名を定義する、という代替案が提示されました。詳細な仕様策定は今後進められるとのことで、今秋台湾で開催予定の2回目の会議では、さらなる成果が期待されます。

 なお、縦書きに関する詳細は、W3Cのグループ「HTML5 IG JP」の共同議長を務めるアンテナハウス村上真雄氏のブログ「CSS組版ブログ」が参考になります。札幌会議に提出された資料および公式議事録は、EGLSのサイトから入手できます。

日本の“ガラケー”でもEPUBを

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