中国発の電子書籍フォーマット「JEBX」は黒船になるか?

海上忍
2010-08-02 13:21:05
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 北大方正集団公司(方正)の日本法人に電子書籍フォーマットを聞くシリーズの第2回は、中国国内におけるCEBXのポジションと、CEBXの日本向け拡張版「JEBX」および「スマートレイアウト」の特徴についてお届けします。

海上:前回お話を伺ったCEBXでは縦書きをサポートしていますか? 中国国内の諸言語を扱えるということで、モンゴル語の表記ルール(注釈1)についても対応しているのでしょうか。

河田:中国の書物は横書き表記で、縦書きはほとんど使われません。ただし、CEBXのフォーマット自体は縦書き対応できる仕様となっています。モンゴル語の縦書き表記についても一応考慮されていますが、現状縦書き対応のCEBXビューア(Apabi Readerなど)はありません。その点からしますと、きっちり対応しているとは言えませんが。もちろん、日本に投入するJEBXは縦書きに対応します。

注釈1:キリル文字を使う横書き表記と、モンゴル文字を使用する縦書き表記の2種類が存在する。第2次世界大戦後、モンゴル人民共和国は横書き表記に移行したが、内モンゴル自治区など中国国内在住のモンゴル系住民の間では現在も縦書き表記が用いられている。

海上:そのCEBXですが、中国国内で標準化されることが正式決定したのですか? それとも、決まる見込みなのですか?

河田:2010年4月に中国版式技術産業連盟(DIAA:Document Industry and Application Alliance)という団体が設立されまして、そこでCEBXが電子書籍のフォーマットとして正式に採用されました。認定済み、です。DIAAでは、2〜3年後を目処に、CEBXを国家標準の電子書籍フォーマットとして認定されることを目指しています。具体的な時期については約束できませんが、2〜3年後になるだろう、と考えています。

海上:中国国内の事情がよくわからないのですが、DIAAはどのようなポジションにある団体なのでしょうか? たとえば、日本には国内の技術仕様を標準化するJISがありますよね。そのような法的な裏付けがあるのですか?

河田:DIAAは、おもに民間企業で構成される民間団体という位置付けです。しかし、複数の政府機関が監督官庁のような形で参加していまして、実質的に政府が「見ている」のですよ。表現としては民間団体、と言えばいいのでしょうか。中国の社会のしくみは、日本とだいぶ異なりますからね。

海上:つまり、DIAAで話がまとまれば、標準化への道のりはスムースだと。

河田:下地をつくる役割という意味では、おそらくその通りでしょう。今後2〜3年の間に仕様が見直されることもあるはずで、そうなるとCEBXをもとに新しいフォーマットが決められる、という言い方ができると思います。

海上:他の企業と競合することはないのでしょうか?