
Googleエディションの登場でムック形態の雑誌が増える
7月8日のデジタルパブリッシングフェア2010に合わせてGoogle日本法人が開催した、GoogleブックスとGoogleエディションに関する説明会に出席してきました。主な発表内容はCNET Japanの記事を参照いただくとして、筆者なりに考えたことを3つピックアップしてみたいと思います。

「収集」には不向き?
蔵書、書庫、書棚など熟語が豊富にあることからもうかがえるように、書物には「(いつか読むときのために)収集する」という性質があります。明確な意思のないままに本を貯め込む“積ん読”はともかく、好きな作家の全集を買う、コミックを全巻揃えるといった行為は収集そのもので、その収集意欲が本の市場を支える大きな力となっていることに疑う余地はないでしょう。
Googleブックス/エディションには、書物を収集対象として見た場合の魅力に欠けるきらいがあります。出版社がGoogleブックスパートナープログラムに参加すると、対象の書籍はスキャンされ、Googleのデータベースに登録されますが、出版社側からPDFやEPUBなどのデータを供出しないかぎり、読者にはスキャンされたラスター画像が提供されることになります。
この点について、筆者は懐疑的な考えを持っています。ベクターデータを持つPDFであれば、拡大/縮小は自由自在ですが、Googleブックスのデータは基本的にラスターデータです。OCRにより文章はテキストデータ化されているため、キーワード検索というGoogleの十八番には対応しますが、写真やイラストは低解像度のまま。出版社からの追加データがないかぎり、“情報源としての本”以上の価値を見いだせないように思えます。少なくともコレクター的にはOUTでしょう。確かに、出版社はコストをかけずに電子ブック市場へ参入できますが……読者の満足度というモノサシはいずこへ?

Apple製品への取り組み姿勢、オフラインリーディングなどの“現実的対応”
Googleブックス/エディションは、書物を“所有する”というより“閲覧する権利を得る”ことに主眼が置かれています。インターネット回線とブラウザ、そしてGoogleのアカウントさえあれば、場所や利用するデバイスの違いに関係なく、自分が権利を有する書物を閲覧できます。書棚はローカルではなくクラウドにあるわけです。
今回の発表では、オフライン時における閲覧についても言及されました。
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