レビュー:Word文書からEPUBを生成できる「Word2ePub」

海上忍
2010-06-25 11:22:02
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表組とルビの処理は完全自動化

 Word文書といっても平文だけが対象であれば、プレインテキストからXHTMLに変換するようなものですから、それほど有難みは感じませんが、表組に関しては話が別です。列幅の調整や折り返し位置など、ピタリと収まるレイアウトに決まるまでは多少の時間が必要です。

 Word2ePubでは、その面倒な表組のレイアウトを自動化できます。Wordの作表機能でつくった表も、特別な作業なしにEPUBへ出力できました。ただし、オブジェクトとしてWord文書に挿入したExcelの表は無視されました。

 文字に振られたルビについても、適切に処理されます。XHTMLのrubyタグで出力されるため、大半のEPUBリーダーでは「漢字(かんじ)」のように左横に添える形で表示されますが、オーサリングの作業は必要ありません。なお、現時点におけるEPUBの仕様では、rubyタグのサポートは必須ではなく、どうしても必要であれば拡張モジュールで対応するというスタンスですから、ルビを無視するオプションがあったほうが好都合かもしれません。漢字の右横にカッコ書きされると、どうしても注釈に見えてしまいますから。

※クリックすると拡大画像が見られます
Word文書の表組も、手直しなしにEPUBへと変換できる(画面はiPad上で動作する「iBooks」)※クリックすると拡大画像が見られます

 全体の感想ですが、Wordという圧倒的インストールベースを誇るソフトを利用してEPUBを作成する、というコンセプトは大いにアリだろうと思います。

 ただし、EPUBというフォーマットの性格上、個人が自分自身の文書管理のために活用するとは考えにくく(PCやスマートフォンに内蔵のドキュメントビューアでWord文書を表示できれば十分)、実際に導入を検討するのは企業となるでしょう。現時点では、Word2ePubにDRM生成機能はありませんが、販売をも視野に入れた電子ブック支援システムとしてパッケージ化されれば、中小の出版社や制作会社でのニーズも考えられるのではないでしょうか。

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