1バイト文字圏のメンバーも含め積極的な議論進む--日本語EPUB仕様策定の現場

海上忍
2010-06-18 20:45:01
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 今回は前回に続き、日本電子出版協会(JEPA)事務局長の三瓶徹氏と同EPUB研究会の高瀬拓史氏に聞いた「EPUB日本語要求仕様案」の標準化プロセスに関する話を紹介します。(参考資料:EPUB仕様の日本語組版拡張を目指して(Version 0.8)

海上:これからの「EPUBの日本語対応」に関する具体的なスケジュールを教えてください。

高瀬拓史 JEPA EPUB研究会の高瀬拓史氏

高瀬:日中韓(台湾も含む、以下CJK)で開催するワークショップで、JEPAが提出した日本語要求仕様に対する他国からのフィードバックを確認し、それを文書に取りまとめることになります。その目安が8月で、そこからさらにCJK要求仕様の形でまとめなければなりません。その期間が1〜2カ月、といったところでしょうか。

海上:日本語要求仕様をたたき台にして、程度の差はあれど縦書き文化を共有する中国、韓国と歩調を合わせよう、というわけですよね。しかし、横書きオンリーの文化圏に属すほかのメンバーは、協力的なのでしょうか? ルビや縦書きについてあれこれ言うのは日本だけで、他国との温度差を指摘する声もありますが。

高瀬:そんなことはありませんよ。日本人より深く考えている節も見受けられるほどです。

海上:確かに、JEPA EPUB研究会でCSS縦書き関連拡張のドラフトを取りまとめている村上真雄氏と、CSSの生みの親と言われるOpera SoftwareのHakon Wium Lie氏とのやり取り(W3Cの「public-html-ig-jp」メーリングリストなど参照)を拝見していますと、真摯に対応しているように感じられますね。

高瀬:過去には1バイト文字圏のメンバーが、「マルチバイト文字を積極的にサポートせよ」と主張する、といったこともありました。一方の日本はといえば、(独自規格で)縦書きをサポートしたIE 5.5に対して強く主張しなかったようですが。少なくともIDPF(International Digital Publishing Forum)においては、声をあげれば確実に対応を検討してくれるものだと認識しています。

  • コメント(3件)
#1 unakami   2010-06-18 23:05:31
アクセスありがとうございます。

実はこの取材のあと、縦書きに関する流れが変わりました。
もはや楽観できない状況のようで……そのあたりを識者に
取材してまとめてみたいと思います。
#2 anonymous   2010-06-20 00:16:54
1バイト文字圏とひとくくりにするのは確かにまずい。この記事のタイトルには
反対です。

亡くなった樋浦さん、その他に小林さん、桧山さん、私が参加した座談会が昔ありました。その
ときの記事をまとめた西村さんは、こう書きました。「16ビットで足りると主張したのが漢字を知らない
非漢字文化圏の人間の持った幻想であるというなら,同様の論理で,固定長コードで
多言語処理ができると考えるのは,いくらかの欧米言語と自国言語しか知らない漢字文化圏
の人間の持った独善的な幻想である。」

村田 真
#3 unakami   2010-06-20 08:44:03
村田さん、こんにちは。

タイトルは著者が付けるものではありませんので、私の一存ではどうにもなりませんが、貴重なご意見として受け止めさせていただきます。

というより、本文で「1バイト文字圏」と一括りにしていますので、問題はそちらですね。ただ、かぎられた文字数で「あちらとこちら」を分けるとき、便利な言葉であることは確かです。今回のテーマは文字コードではなくEPUB、ということもあります。どこかで線を引かないことには、非常に読み難い諄々とした文章になります。

このあたりの事情を啓蒙するといった観点からも、先日Twitterで連絡させていただいたとおり、ぜひ取材をお受けいただきたいと思います。昨晩ツイートされていたように、私としても「標準化の修羅場と日本の無理解」をメインにお話をうかがいたいと考えています。

ところで、読者の皆さん、村田真さんはIDPF EPUB 2.1 WGのEnhanced Global Language Support Subgroupのリーダーで、標準化の作業に当たられている方です。
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