韓国における電子書籍の失敗と進取の気性から、日本の方向性を考える

海上忍
2010-05-19 19:48:59
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 韓国では、EPUBを軸とした電子書籍市場の拡大が進められています。大手に数えられる老舗書店系列の電子書籍ストア「教保(キョボ)」では、EPUBとPDFを併用する形でコンテンツを提供していますが、EPUBがデファクトスタンダードに落ち着きつつあるそうです。

 その理由のひとつが、公共図書館における電子書籍フォーマットとしての採用です。韓国では、公共図書館における電子書籍の対応がひとまず完了(2007年まで政府の電子図書事業を実施)したとのことで、比較的規模の小さい図書館でも取り扱いがあるそうです。話を聞いた安さんの出身地である清州(チョンジュ)は、人口30万人ほどの地方都市ですが、そこでも数年前には電子書籍の取り扱いが開始されていたとのこと。

 韓国の公共図書館では、電子書籍にレンタル方式を採用しています。事前登録してさえおけば、自宅でダウンロードしてPCなどで読めますが、DRMにより貸出期限が到来すると読めなくなるそうです。海外在住者は登録できないらしく、安さんは悔しがっていましたが。

 この場を借りてお伝えしたかったのは、韓国が国家プロジェクトとして公共図書館の電子書籍対応を進めていることです。担当官庁である文化体育観光部は、2010年に制定された電子出版産業育成法案に基づき、2014年までに600億ウォンを投入すると発表しているとのこと。そしてそのフォーマットは「EPUB」です。

 民間レベルの動きも活発です。ブックトピアの先例があるにもかかわらず、版元や書店とも電子書籍に対して積極的な方針に転じているとのことで、200を超える出版社の出資による電子書籍流通を担う新会社「KPC」も設立されています。そこでの主要フォーマットもEPUBです。

 拙速に過ぎる対応は困りますが、遅きに失するのはそれ以上に困りものです。我々日本人は、そこのところをよく考える時期なのではないでしょうか。

  • コメント(2件)
#1 ★qqq4545   2010-05-26 23:57:59
"記事に関係する情報をコメントでお寄せください" なんか、変な日本語ですね?
脳に、直接入れる方法が、見つかるまで、人類は、苦労する事に、なるのでしょうね。
寝ている時間に、記憶の上書き!がんばってください。期待してます。
#2 anonymous   2010-08-20 11:24:58
舅(69歳)は県立図書館で何ヶ月も予約待ちして『坂の上の雲』を読んでいます。大河ドラマや連続ドラマがはじまるたびに何十人もの予約リストに加わるのです。公共図書館において完全に韓国に遅れをとっており歯がゆいですね。
最も電子化の恩恵を受けるのはこうしたシニアかもしれません。
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