EPUBに最適な図版フォーマットを考える

海上忍
2010-05-07 13:33:58
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 1つは、単体のファイルサイズ。前述の「スケッチ風ドロー」で適当な絵解き(線画/カラー)を作成し、TIFFとPNG、SVGの3形式で書き出してみたところ、TIFFは67万4158バイト、PNGは3万960バイト、SVGは2278バイトと、SVGに有利な結果となりました。

 EPUB生成時も、線画主体の絵解きはSVGのほうが有利なようです。SVGとPNGの絵解きを、約1100字のテキストとともにそれぞれEPUBファイル(オーサリングには「Sigil」を使用)として書き出したところ、PNGを使ったEPUBは3万4843バイト、SVGを使ったEPUBは4369バイト。EPUBはZIP圧縮されていますから、実体はプレーンテキストであるSVGのほうが圧縮効果が出ていることがわかります。

 一方では、PNGなどラスタ画像のほうが有利なこともあります。EPUBで多種類の日本語フォントを扱うことは難しく(この点は日を改めて説明します)、フォントの埋め込みで対応することも事実上困難ですが、絵解きに使ったテキストはラスタライズ(画像化)されるので、フォントの手配を気にする必要はありません。行書体などワンポイントで使いたい日本語フォントがある場合は、ラスタ画像を選択することが現実的でしょう。

 と、ここまでは1人で考えた結果でして、実際には電子書籍化の際オーサリングを担当する方との擦り合わせが必要です。ビューア側の事情――たとえばPNGのほうが確実に表示できる、表示速度が速いとか――も考慮しなければなりません。商業出版である以上、読者の側に立たなければならないわけで、独りよがりは慎むべきですからね。というわけで、これからオーサリング担当者と相談してみます。

Calibre SigilでオーサリングしたEPUBを、Calibreのビューアで表示したところ。絵解きはSVGなので拡大/縮小してもジャギーは発生しない
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