
電子コミック「働きマン」が配信拒否になった理由--電子書籍時代の検閲
ボイジャー代表取締役社長の萩野正昭氏とお会いすることになり、意見交換という主旨のはずが後半はこちらからの質問ばかりになった経緯は、前々回お伝えしたとおりです。今回はそのときの話のうち、DRMとセンサーシップ(検閲)に関する部分を紹介します。

海上:ボイジャーでは、独自のフォーマット(.book)をお持ちですよね。
萩野:フォーマットを作って提供する行為というのは、過渡的なものですよ。それをサポートしたり、バージョンアップしたりというのは。“本を作る”にあたって印刷所的なところを利用するにしても、本としてのフォーマットそれ自体にお金を払うことはないですよね。デザイナーとか装丁関係は抜きにして。現在は我々が生きていくための方便として利用していますが、誰もが自由に使える、将来的にはそういう存在になっていくのではないでしょうかね。
海上:DRMについては、どのような方針で臨むのですか?
萩野:基本的には「なし」という方向でしょうね、少なくともボイジャーとしてはそう考えています。DRMは幻想ですよ。打ち破られないDRMはないのではないでしょうか。それに、DRMは基本的に“紙の出版社”が主張していることですよ。ボーン・デジタルの人たちの発想にDRMはありますかね? 既成の市場がない、守るべきものがないところへ入ってくる人たちですから、見方は逆さまだろうと思います。やがてメジャーになったときに、今度はDRMを主張するのかもしれませんが(笑)。
それに、紙にはDRMがかかっていませんよね。実際、ネット上にアップロードされている海賊版は、どれも紙からスキャンしたものでしょう。紙の出版大手企業から「おたくが開発するソフトのDRMはどうなっている? 弱いのでは?」と繰り返し確認されたことがありますが、それならばまず紙で出すことをお止めなさい、となります。
とても大きな戦いになるでしょうが、電子書籍に本腰を入れるのであれば、DRMなしを主張するくらいの姿勢が必要だと思いますけどね。
海上:一方、AmazonやAppleのオンラインストアで売るとなると、おそらくDRMへの対応は必須ですよね。現実は現実として受け入れるのですか。
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