電子書籍:DRMは「幻想」と言い切るボイジャー 萩野社長

海上忍
2010-04-12 09:47:06
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「電子書籍の衝撃」の衝撃

 4月7日、佐々木俊尚さんの新刊「電子書籍の衝撃」が発売されました。紙じゃないですよ、電子版ですよ。Twitterでも告知されていましたから、もうダウンロードしたよ、という方も多いと思います。4月15日まで110円というキャンペーン価格で提供しているのも驚きですが、ほかの要素に衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。

 それは、(電子版)書籍の発売に至るまでのプロモーションです。ウェブサイトやブログを通じて新刊を告知するというやり方は、だいぶ以前からありますが、今回はTwitterが活用されています(公式アカウントはこちら)。すでに勝間和代氏が実行しているじゃない、という意見もあるでしょうが、今回は版元のディスカヴァー・トゥエンティワンが主導しています。しかも紙版を差し置いての先行発売、しかも本の要旨というかコンテキストに合致していますから。だいぶ意味が異なるのではないかと思います。この一連の動きを見て、ドキッとした出版関係者も多いのではないでしょうか。

 さて、この電子書籍の衝撃、専用のビューアソフトが必要です。PC向けには「T-Timeビューア」(またはブラウザアドオンの「T-Time Plug」)、iPhone向けには「D21 Book Viewer」が無償で提供され、版元が運営するディスカヴァーデジタルブックストアで購入し、ダウンロードする、という仕組みです。

D21 Book Viewer ディスカヴァーデジタルブックストアの電子書籍は、ボイジャーがエンジンを開発した「D21 Book Viewer」で読めます

ボイジャー萩野社長とEPUBについて語る

 そのビューアソフトのエンジンを開発した会社が、日本における電子書籍の草分け的存在「ボイジャー」です。「いちど情報交換を」というお誘いを受け、東京は青山にありますオフィスへ担当I氏と雨の中訪ねたのでした。そのときの話の内容を、ダイジェスト版でお届けしたいと思います。

海上: では手始めに、現状のEPUBをどう捉えているかについて、お互いの意見を開陳しましょうか。私個人の意見では、EPUBは日本から世界に向け書籍というコンテンツを売るためのチャンスと考えています。縦書きやルビなど日本独特のルールをどうするかという課題はありますが、狭い世界に閉じこもらず、ババンと打って出ればいいのではないかと思いますね。すでにPDFという紙の概念の延長線上にあるフォーマットもありますし、EPUBは紙と切り離して解釈すべきではないのかと。

萩野: ボイジャーはIDPFのメンバーでして、連絡も密にとっています。日本語をどうこうというマインドを先方は「まったく」持っていませんし、標準化に日本語を取り込むことを必須と考えるのは間違いでしょう。とはいえど、日本語の(既存の)紙コンテンツは無視できません。とじや読みの方向をどうするかなど、最低限の約束事は決めておくべきだと思います。皆がインターナショナルな基準にのっとって利用すべき、という点は同意見ですね。

海上: DRMについてはどうでしょう? 私はやむを得ないかなあ、と思っているのですが。

萩野: 「なし」が望ましいでしょう。ボイジャーとしてはそう考えています。DRMは幻想ですよ。

「DRMを付けよう」は紙の出版社の発想

  • コメント(7件)
#1   2010-04-13 15:23:37
荻と萩は違いますよ。
#2 builder   2010-04-13 16:07:23
> 1様

builder編集部です。この度は誤記のご指摘、誠にありがとうございました。
本文中2個所を修正させて頂きました。

ご迷惑をおかけした読者の皆さま、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。
#3 anonymous   2010-04-14 01:46:23
なぜにライターの海上氏が上から目線なのかよく分かりません。ボイジャーの萩野さんといえば古くから有名な業界のキーマンだと思いますが、「お互いの意見を開陳」だなんて・・・。そうでなくても取材相手には常に敬意を払うのが最低限の流儀と思いますが。何か勘違いされていませんか?
#4   2010-04-15 12:17:35
私も「#3」の方とまったく同意見です。おまけに「萩野」さんの意見が聞けると思って読んだのですが、それほどのボリュームもなく、正直期待はずれでした(後編にご期待なのかな?)。
筆者の「DRMも致し方ないかな?」という判断の理由もよくわからず、取材記事というより、ブログのコメントのようでした。
#5 unakami   2010-04-16 17:13:15
コメントありがとうざいます。

今回は、こちらから取材をお願いしたわけではなく、先方から「忌憚ないご意見をお聞きしたい」とコンタクトがあり、お会いすることになったのです。ちょうど都内で別の用事があったので、先方に出向く形にはなりましたが。取材(相手の話を聞くことがメイン)ではなく、意見交換会という認識です。

とはいえ、萩野さんは電子書籍の分野におけるパイオニア的存在ですし、EPUBについても大変お詳しく、会合の後半はほぼ聞く一方(取材)になりましたので、分割して掲載することにしました。後半をお待ちください。
#6 anonymous   2010-08-17 10:59:28
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http://www.4videosoft.jp/pdf-to-epub-maker/
#7 anonymous   2010-09-17 09:15:31
萩野は本が売れても売れなくても儲けが確保できるからDRMは幻想って言うんだね。
こういうやつがのさばるようになると、まともな本は減るだろうな。
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