ネット企業は「スピードと風通しの良さ」が重要:開発者がおさえておくべき会社という仕組み

田中好伸(編集部) 石丸かずみ
2009-03-25 20:00:00
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 ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントのメディア事業部で働く山本暢(のぶる)氏が同社に入社したのは2004年。社会人になって5年目になる……というわけではない。

 山本氏は1990年代中頃から音楽ライターとして雑誌を中心にインタビューや特集企画の編集、コラム執筆、ディスクレビューなどを手掛けていた。その後、テレビやラジオの音楽番組の企画構成、インタビュアーをこなし、さらに2000年代初めからエンターテインメント系動画配信サイトやインディーズ音楽情報サイトでの編集やディレクションに従事。その後、2004年にNTTレゾナントに入社している。

 2004年以前までの長い間、フリーという立場で、組織に属さずに活躍していた山本氏は、NTTレゾナントという会社、大組織に所属するようになって、困惑や違和感を感じることはなかったのだろうか。

社長と立ち話

山本氏 山本氏の肩書きは「メディア事業部 サービス部門 トップ/ソーシャルメディア担当」となっている

 「正直、組織で悩んだということはありません。うちの会社はカチッとした縦割りという従来の感覚とは違っていて、もっと緩やかなつながりなのです。たとえば、私自身はgoo関連の作業を行うメディア事業部というところに所属しており、日頃は各々がそれぞれのチームの中で自分に与えられた仕事をこなしていますが、特集などのページを作るときには、その都度、関係する人間が集まります。それぞれ所属するチームの中だけで動いているわけでもないのです。アメーバのように自由にその枠を変形させることのできる、柔軟な組織といえます。だから、私自身はとてもやりやすいですね」

 NTTレゾナントは、NTTグループの一員だ。その規模から旧来のお堅いイメージがついて回る。しかし業務の内容故か、風通しはいいという。それが分かる象徴的な話が、中嶋孝夫社長との立ち話だ。

 「インターネットを使ったビジネスですから、スピードがとても重要です。そこで、何か判断が必要な場合は、社長に直接話をします。廊下で会ったときには、呼び止めて立ち話もしますし、デスクに来てもらって、直接画面を見て意見を言ってもらったりもします。時間を設定して会議を開いている時間がない場合などは、そんな形でも社長が対応してくれるのです。社長もそれが当然だと思っているみたいですし、そういう意味でも働きやすいですよ」

“声なき声”を意識

 2008年3月に、gooではトップページを全面リニューアルしている。そのとき意識したのが“声なき声”だったという。

 「私たちが見ていかなければいけないのが、一般の個人ユーザーです。インターネットはリアルタイムの双方向でのやりとりがほかのメディアにない特徴ですが、ユーザーからの直接的な意見は、あまり聞くことはできません。何か問題があったら、ほかのサイトに飛んで行ってしまうんです。ページビューの微妙な増減というちょっとした変化。そんな“声なき声”を意識しなければならない。そんな見えないところ、聞こえない声の重要性を会社全体が理解している。風通しの良さは、このようなスピードが重要な事業では、どうしても必要な組織形態だといえます」

 会社がどのように成り立っているのかは、会社ごとに異なっている。決められた一つの形があるわけではない。

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