
あなたがプログラムを理解できない10の理由:第4回
あまりに実用的なプログラムを作ろうとしている
作りたいものがあれば勉強にやりがいが出るのだが、だからといってあまりに大規模なシステムを想定してしまうと、どこから手をつけて良いか分からなくなってしまうおそれがある。
たとえば筆者の場合、最初に作りたいと思ったスクリプト(正確にはプログラム)は「ゲーム」であった。もともと、ゲームクリエイターになりたいと思っていた筆者は、自分の力でRPGを作ってみようと思い、スクリプトの勉強を始めたのである。
しかし、結果としてはこれが勉強の意欲を妨げることになってしまった。
RPGという大規模なスクリプトを自分一人の力で作ろうとしても、足りない知識が多すぎて何から手をつけたらよいのか、どういう知識が必要なのか、全く分からなかったのだ。
結局筆者は迷走した挙げ句、マップが左右に動く程度のところまで作り、力尽きてしまった。幸い、それ以後もスクリプトに対する意欲を失うことはなかったが、もしかしたらスクリプトの勉強をやめてしまっていたかもしれない。
やはり、作りたいものは自分の身の丈にあったレベルを想定し、「できあがった喜び」を感じられるようにした方がよいだろう。初学者が「あまりに実用的なプログラム」と考えるものは、自身の能力を超えたものなのだ。
それでは、いったいどういうものから挑戦したら良いのだろうか。ここでは、悪い例と良い例を紹介しよう。
悪い例1:人に使わせるもの
よくある例に「掲示板を作りたい」とか「ショップサイトを作りたい」といったものがある。しかし、人に使わせるものを最初から作るのは好ましくない。
人に使ってもらえるシステムを作るということは、まず間違いが許されない。また、分かりやすく作らないとならないし、会員登録の仕組みや管理画面の仕組みなど、本来の「掲示板」以外に必要な部分が多々あり作業が膨らんでしまうのだ。
例えば、料理を勉強する人でも最初に作る料理を他人に食べさせる人などいないだろう。味付けも難しいし、鍋のまま出すわけにもいかない。食器が必要だったり盛りつけというテクニックも必要だ。これではどこから手をつけて良いか分からなくなってしまう。
そのため、最初は自分で食べるための試作を行う。鍋のまま、適当な箸で食べてみればよいのだ。「料理」という本質の部分を学習するためには、それ以外の部分をこそぎ落としてしまった方がよい。
まずは、あくまでも自分で使うスクリプトを作るのがよいだろう。
悪い例2:派手なもの
見た目が派手なスクリプトというのは、たいていの場合作るのも難しい。同じ動きをするスクリプトであっても、文字だけが出るスクリプトと、グラフが出るスクリプトでは、難易度が格段に異なる。
例えば、文字がフェードインしながら表示される、マウスでドラッグ&ドロップできる、自動的に更新されるなど、「便利」とか「キレイ」と思える機能は、ちょっとしたものでもかなり手間がかかっている場合がある。
店頭で見ればキレイな電化製品などでも、最初の試作機は部品が丸出しで、色など塗られていない金属の塊である場合も多い。見た目をキレイにするのは、機能が完成してからでよい。まずは中身の作成に注力するようにしよう。
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