
「ITを武器に社員力を上げれば企業は良くなる」--カルビーの企業戦略
「ジャガビーはポテトチップスと異なり、原料を一次加工した後で冷凍し、輸出して各国の現地で二次加工する」ことから、「米国で冷凍生地をつくり、香港に持っていくこともできるようになった。日本の冷凍生地を中国にもっていくことも考えている」(同)という。
中田氏は「このような仕組みの前提には、日本の馬鈴薯の国際競争力がなければならない。ひいては、北海道の馬鈴薯の競争力がカルビーの戦略的課題になる」と話す。同社の商品は、馬鈴薯を原料とするものが全体の7割を占めているのだ。
「スナック商品の原料は大別すると、馬鈴薯、小麦粉、コーンになるのだが、当社は馬鈴薯と小麦は得意。しかし、コーンは現時点でポートフォリオとして欠けているところがある。そこで、コーンスナックを主力とするジャパンフリトレーをパートナーに迎えた」(同)
ジャパンフリトレーは、世界最大の食品飲料メーカーであるPepsiCoの全額出資子会社で、カルビーはPepsiCoと戦略提携契約を結んだ。中田氏は、PepsiCoを通じた海外への供給力に期待しており、「『じゃがりこ』が世界市場での製品になるかもしれない」とのシナリオに言及した。
日本型のゆるいマネジメントを必要
イノベーションはかつて、「新結合(新製品の開発、新しい生産方式の導入、新しい販路の開拓などを意味する)」と訳されていたということで、中田氏もこれをキーワードにしている。
製造とサービスの新結合では、製品をつくって、売りっ放しにするのではなく、鮮度を保証すべきだという。素材生産と加工の新結合では、カルビーの場合、馬鈴薯の品質改善を進めることが鍵となる。優れた技能者と技術者の新結合では、ベストプラクティスの標準化が重要になる。これは、「たとえばカーナビがあれば、ごく普通の運転者も最適な道路を選択して、効率的に目的地に到着することができる」(同)ことなどが好例だ。
最後に中田氏は「日本的な”ゆるい”マネジメントも必要なのではないか。米国型の過度なコントロールからの脱却も考えてみたい。そして、継続的な改善を蓄積していくと、あるとき大きな転換期を迎える」と述べた。
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