有害物質についてITプロフェッショナルが知っておくべきこと(前編)

文:Deb Shinder 翻訳校正:石橋啓一郎
2008-09-09 08:00:00
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 基板、モニター、バッテリー、ケーブルなど、コンピュータ機材と共に働いている人々はさまざまな有害物質の脅威に取り巻かれている。この記事では、すべてのITプロフェッショナルがわきまえているべき有害物質の基本的な取り扱い方法について記す。

 危険物質の取り扱いについて考えるという話をすると、化学薬品会社や原子力発電所で働く人のことを思い浮かべるかも知れない。しかし、ITプロフェッショナルも日常的に有毒物質を内蔵する機器のそばで働いている。古いコンピューターや電子機器の廃棄が問題になるのは、これが理由だ。

 自分自身や他の人を、潜在的に危険な物質に晒さないように、また環境関連の規制を破らないようにするためには、さまざまなデバイスや供給品によって生じるリスクと、そのリスクを最小限に止める方法を知っている必要がある。

 一般に、電気関係の廃棄物は、有毒物質や可燃物、腐食性物質、反応性の高い物質が含まれている場合、危険物として分類される。多くの電子機器は、鉛などの重金属を含んでいる。もし危険な部品が埋め立てられてしまうと、有害物質が土壌に入り込み、地下水に溶け出す可能性もある。

有害物質と有害廃棄物の取り扱いに関する法的問題

 特定化学物質使用規制(RoHS、The Restriction of Hazardous Substances)は、電気機器あるいは電子機器において特定の物質の使用を禁止するか、特定の物質の使用量を規制するEU指令だ。これに相当する連邦法は米国には存在しないが、カリフォルニア州の電子廃棄物リサイクル法(EWRA、Electronic Waste Recycling Act)はRoHSに基づいて作られたものであり、他の州でも同様の法律が検討されている。

 米国では、環境保護庁(EPA)の資源保全回収法(RCRA、Resource Conservation and Recovery Act)が1976年に制定されている。この法律は、有害であると見なされる物質(および他の種類の廃棄物)の廃棄に関する連邦規制を定めたもので、これまでに1984年、1991年、1996年の3度修正され、強化されている。

 各州もそれぞれが有害な廃棄物質の取り扱いに関する規制を持っている。多くの場合、それらは連邦法よりも厳しいものだ。EPAはさまざまな州や地域の有害物質の廃棄に関するリンクのリストを提供している。

コンピュータの中の何がリスクとなるか

 コンピュータのケースを開けると何が見えるだろうか。マザーボード、メモリモジュール、ビデオカード、サウンドカードなどはすべて回路基板から作られている。そして、回路基板には多くの場合、製造工程で使われた、水銀や鉛を含む毒性のある金属が含まれている。どちらの金属も、人体に計り知れない影響を与える。

 水銀の毒性は一部の国がこの金属の使用を完全に禁止することを提案しているほど大きな問題だ。水銀中毒は中枢神経、肝臓、その他の器官にダメージを与え、感覚障害(視覚、発話、聴覚)を引き起こす。鉛中毒は貧血、不可逆的な神経障害、心血管系への悪影響、胃腸症状、腎疾患などを引き起こす。単にコンピュータの部品を取り扱うだけでは、これらの物質への露出が危険な水準になることはないが、その効果は蓄積するものだ。そして、われわれは家庭用品、塗料、食物(特に魚類)などの他の原因でも鉛や水銀に晒されている。

 コンピュータの中の、ケーブルのプラスチックの被膜には臭素化合物やポリ塩化ビニル(PVC)が含まれる可能性がある。臭素化合物を使った製品は、甲状腺機能低下に加え、注意力欠陥障害その他の児童の行動上の問題の原因となる疑いがある。またPVC製品にはフタル酸類と呼ばれる毒性物質が含まれている可能性がある。一部の研究では、フタル酸類は腎障害および肝障害に関係があるとされ、一部のフタル酸類はEPAによって発ガン物質に指定されている。

 古いワークステーション、サーバ、ラップトップはより大きな危険をはらんでいる。近年、多くのコンピュータメーカーは、販売するシステムの有害な部品を削減する方向に動いている。新しいシステムを購入する際には、EPEAT(EPAの電子製品環境アセスメントツール)で選ばれたものを購入すればリスクを減らすことができる。

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この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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