プロジェクトを円満に終わらせる秘訣

たにぐちまこと(H2O Space.)
2008-08-05 16:00:00
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一緒に同じ仕事をすること

 さて、これまで6回にわたって「仲間と幸せに仕事をする方法」を紹介してきた。

 共同作業はいろいろと気を遣うことが多く、面倒なことも多い。「なんだか自分ひとりでやる方が気楽かも」などと思うこともあるだろう。しかし、仲間と仕事をすることにはそれを上回るメリットがあることも事実である。いくつか挙げてみよう。

ひとりでできることには限界がある

 筆者自身、最初はフリーのエンジニアとしてひとりで仕事をしていた。その後、エンジニア仲間、デザイナ、マークアップエンジニアと交友関係が広がり、今ではウェブ制作全般を引き受けることができるようになった。

 よく、デザイナがプログラムを、プログラマがデザインを勉強して、「自分でも○○ができるようになりたい」と思うことがある。もちろん、知識を持っておくことにこしたことはないが、本連載の第2回でも紹介したとおり、プログラマとデザイナは発想などが根本的に違う部分があり、両方をになうことができるのは不可能に近い。

 一部の天才肌のクリエイタには何でもできてしまう人もおり、尊敬できるのだが、一般の人にはなかなか真似できない。

 それよりは、信頼できる仲間と共に仕事をして、自分は得意な分野だけに集中できる方が、結局は自分も楽になるのである。

自分でハンドリングできる

 例えば自分はプログラムしかできず、デザイナはクライアント自身に探してもらって一緒に作業をするという場合を考えてみよう。

 この場合、ハンドリング(ディレクション)はクライアントが行うことになる。すると、クリエイタ同士の意思の疎通に、常にクライアントという「フィルタ」が存在することになってしまい、意志がうまく伝わらないことになる。

 そうなってしまうよりも、クライアントからは全体を任せてもらって、自分で信頼できる仲間と連携しながら作り上げた方が、結局はスムーズなのである。

仕事の幅が広がる

 「自分はデザインしかできません」というクリエイタの場合、ウェブ制作会社の下請け作業や、すでに制作会社と付き合いのあるクライアントとしか仕事をすることができないだろう。

 しかし、「自分はデザイナですが、仲間にマークアップエンジニアとプログラマがいるので、ウェブサイトはすべて作れます」といえば、いろいろな仕事を引き受けることができるようになるだろう。

 自分でハンドリングができるようになれば、下請け仕事から脱却し、自らクライアントを開拓することもできる。

 また、クライアントから依頼があったとき、多忙などの事情で断ってしまうと次に繋がらない。クライアントの身になって分かったが、一度断られてしまうと、「この人は忙しい」という意識が植え付けられてしまい、なかなか次が頼みにくくなってしまうのだ。

 そんなとき「私は無理ですが、仲間がいるので紹介しましょうか」などと提案すれば、クライアントからの信頼度が上がることになる。さらに、クリエイタ仲間も助かることになり、逆に自分が暇な時に仲間から仕事を振ってもらえることもあるだろう。こうして、仕事の幅や量が広がっていくのである。

仲間がいる

 最後はやはり、「仲間がいる」という、そのこと自体がかけがえのないメリットを挙げておきたい。

 ウェブ業界は流行の移り変わりが異常に早く、新しい技術が現れては消えていく世界だ。どれほどブログを追いかけたり雑誌を買い続けても、とてもではないが追いつける世界ではない。

 しかし、仲間と情報交換をしたり、Twitterやmixiなどで繋がっていると、仲間が興味を持っていること、勉強していることなどを効率よく収集することができるようになる。「iPhone」「Adobe AIR」「Ajax」――今も筆者のTwitterやmixiでは、仲間の誰かがなにかを発信してくれている。

 また、仕事の量が急に減って困ったとき、仕事で失敗してヘコんだとき、クライアントとのやり取りがうまく行かなくて悩んだとき……愚痴を言える仲間がいれば、励ましてくれたり、アドバイスをしてくれたりするだろう。意外と誰もが、同じような経験をしているものなのだ。

面倒な人付き合いを楽しめるように

 人付き合いが面倒くさいからフリーになる。そんな思いで独立する人も多いだろう。かくいう筆者もそのひとりだ。

 しかし今となっては、人付き合いは仕事をする上で必要なことであり、逆にそれがあるから仕事が面白いとも思える。

 是非、まずは仲間をひとり見つけて、仕事の幅を広げてみよう。きっと新しい世界が見えてくるだろう。

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